クロス・マーケティングは6月7日、「消費動向に関する定点調査」の結果を発表した。同調査は、景気動向判断の基礎資料を得るため、年2回実施している。

「給与所得」の前年同期比較

給与が昨年より増えた人は15.4%

「給与所得」の前年同期比較をみると、「増えた」は15.4%、「減った」は25.1%で、生活実態DI(「増えた」-「減った」)は4.4ポイント低下のマイナス9.7。性・年代別では、女性20~40代で減少している一方、女性50~60代で大きく増加しており、女性の中でも年代により差があることがわかった。同社は「今回は50~60代女性の労働時間の増加についても注目しており、これまで専業主婦だった年代の方が働きに出る傾向にあるため、給与も上がったのではないか」と分析している。

今後1年間の景気の見通しについては、「良くなると思う」の割合は前回(2015年10月)13.3%、前々回(2015年5月)8.1%、今回5.8%と減少しており、「景気向上意識が薄れている様子がうかがえる」(同社)。

「自宅で過ごす時間」を前年同期と比べたところ、男性は全年代で増加した一方、女性は60代を除く全年代で減少。特に男性20代・40代で大幅に増えたのに対し、女性50代で大きく減っていた。

AI(人工知能)に対する意識を聞くと、年齢が高くなるほど期待している人の割合が高く、特に男性60代では47.8%に上った。反対に女性20代・30代は3割強が「期待していない」と回答し、期待値が低かった。期待する内容としては、「介護用の補助ロボット」の62.0%が最も高かった。

調査期間は2016年5月9~11日、有効回答は全国20~69歳の個人1,200人。