Visa Inc.は6月2日、2016年リオデジャネイロオリンピックに向けて、Visaアカウントでの決済を可能にする初の指輪型ウェアラブル端末を発表した。

Visaがリオ・オリンピックで導入する指輪型決済システム

Visaはオリンピック大会およびパラリンピック大会唯一の決済プロバイダー。今回、スポンサー契約をした世界各国の「Team Visa」アスリート45名に指輪型決済端末を配布したという。この指輪型決済端末には、NFC(近距離無線通信)を搭載しており、NFC対応型決済ターミナルの近くで指輪をかざすだけで支払いを行うことができる。

指輪にはジェムアルト社製の安全なマイクロチップを搭載した、マクリアー社設計の特許取得済みのNFC Ringが使われており、NFCアンテナを内蔵することで非接触の決済が可能に。他の多くの決済用ウェアラブル端末と異なり、この端末は電池や充電を必要としない。また、水深50mまでの防水機能を備えているため、プールから出てそのままつけている指輪で支払いを行うこともできるとのこと。

Visaは同日、ニューヨークで行われたイベントにおいて、Visaの指輪型決済端末の最新プロトタイプを紹介した。このプロトタイプは、Visaトークンサービスにより提供されるトークン技術を使用した初の指輪型決済端末。16桁のカード番号といった重要な決済情報は一意のデジタル識別子に置き換えて決済処理されるため、実際の口座の詳細情報が表に出ることはないという。

モバイル決済やウェアラブル決済が可能なNFC対応のPOS端末機は、主要なオリンピック会場、米国オリンピック委員会のオリンピックハウス、コパカバーナメガストアで約4,000台設置される予定。

Team Visaアスリートで金メダリストの競泳選手、ミッシー・フランクリンは、「Visaの指輪型端末は、リオ・オリンピックに参加するすべての選手が持ちたいと願う画期的なイノベーションで、財布やカードを持たずに、競技後、直接買い物に行けるようになるなんて素晴らしいことです」とコメントしている。