お金の悩みといえば、今やどの世代にも共通するのが「老後資金」の問題。この頃は、20代の若い方から「老後のお金が心配です」と相談を受けることも珍しくありません。一方で、「そんなに早くから準備しなくてもいいのでは……?」といった声も。そこで今回は、老後資金はいつから貯めればいいのか、実際にいくら必要になるのかをまとめて解説していきましょう。
老後資金の蓄えはなぜ必要なのか
そもそも、なぜ老後資金を蓄えておく必要があるのかということから確認してみましょう。例えば厚生年金の場合は、現役世代の収入の半額を、国民年金と厚生年金で賄えるような設計になっています(夫婦と子供2人の平均的な家庭を想定。大学を卒業した22歳~60歳まで、すき間なく厚生年金を納めていたことが前提)。つまり、残り半分のお金は自分で用意する必要がある、ということです。
また、今後は昔のように公的年金に頼ることができなくなると予想され、自助努力で老後資金を確保する重要性が高まっていることも挙げられます。
いつくらいから用意すべき?
さて、老後資金はいつから準備すべきなんでしょうか。20代・30代では早すぎるといった意見もありますが、そんなことはありません。是非、思い立ったときから準備を始めてみましょう。
20代のうちは所得が少なく、30代では教育費や住宅ローンの支払いなど出費の多い時期に差し掛かります。「老後のお金にまで回す余裕はない」という場合は、金額はぐっと抑えめで構いませんので、まずは将来のためにお金を貯める習慣をつけることから行ってみてください。独身時代、夫婦のみの時代、子供の幼少期までは比較的お金を貯めやすい時期ですが、その後は支出が増えていきます。ライフイベントのためのお金を確保することを優先し、一方で、老後資金の積み立てを少額ずつでも始めましょう。
老後資金を用意するのに1番強力な武器は「時間」です。金額は少なくても、コツコツ貯めていくことで、時間による分散投資も可能になります。また、早いうちから老後の資金を準備し始めていれば、闇雲に将来を不安がる必要もなくなることでしょう。