総務省は5月17日、「家計調査報告(貯蓄・負債編)平成27年(2015年)平均結果速報(二人以上の世帯)」を公表した。
二人以上の世帯における1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は1,805万円。前年に比べ7万円、0.4%の増加となり、3年連続で過去最高を更新した。貯蓄保有世帯全体を二分する中央値は1,054万円(前年1,052万円)となった。
また年間収入は616万円で、前年に比べ2万円、0.3%の増加に。「貯蓄年収比」(貯蓄現在高の年間収入に対する比)は293.0%で、前年に比べ0.2ポイントの上昇となった。
勤労者世帯では1,309万円
このうち勤労者世帯(二人以上の世帯に占める割合51.2%)についてみると、貯蓄現在高(平均値)は1,309万円で、前年に比べ19万円、1.5%の増加となり、貯蓄保有世帯の中央値は761万円(前年741万円)となった。二人以上の世帯全体と比べると、平均値、貯蓄保有世帯の中央値共に低くなっている。また、年間収入は709万円で、前年に比べ7万円、1.0%の増加となり、貯蓄年収比は184.6%で、前年に比べ0.8ポイントの上昇となった。
二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、平均値(1,805万円)を下回る世帯が68.0%(前年67.6%)と約3分の2を占めており、貯蓄現在高の低い階級に偏った分布となっている。100万円以下も11.1%見られる。
有価証券は3年連続の増加
二人以上の世帯について貯蓄の種類別に1世帯当たり貯蓄現在高をみると、定期性預貯金が734万円(貯蓄現在高に占める割合40.7%)と最も多く、次いで通貨性預貯金が394万円(同21.8%)、「生命保険など」が374万円(同20.7%)、有価証券が264万円(同14.6%)、金融機関外が39万円(同2.2%)となっている。
このうち勤労者世帯についてみると、定期性預貯金が470万円(同35.9%)と最も多い。次いで通貨性預貯金が324万円(同24.8%)、「生命保険など」が310万円(同23.7%)、有価証券が146万円(同11.2%)、金融機関外が59万円(同4.5%)。
2014年と比べると、二人以上の世帯について、有価証券、通貨性預貯金及び「生命保険など」は増加となっている。有価証券は前年に比べ13万円、5.2%の増加となり、3年連続の増加。一方で、定期性預貯金は前年に比べ24万円、3.2%の減少となり、7年ぶりの減少となっている。
このうち勤労者世帯についてみると、有価証券、通貨性預貯金及び定期性預貯金は増加。特に通貨性預貯金は、直接比較可能な2002年以降13年連続の増加に。有価証券は、前年に比べ10万円、7.4%の増加となり、3年連続の増加となっている。「生命保険など」は減少。
二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別に貯蓄の種類別割合をみると、貯蓄現在高が少ない世帯では、通貨性預貯金の割合が高い。一方、貯蓄現在高が多い世帯では、定期性預貯金及び有価証券の割合が高くなっている。貯蓄現在高が3,000万円以上の世帯についてみると、有価証券の割合は2割だった。