日に日に温かくなり、行楽にぴったりな季節がやってきました。GWの予定はもう決まっていますか? 今回は無料で大人も楽しめる工場見学についてご紹介します。

子供の頃の社会科見学、覚えていますか?

子供の頃、学校の行事っていろいろありましたよね。運動会に遠足。そうそう修学旅行! それらの記憶はみなさん鮮明かと思いますが、社会科見学の記憶は案外ないのではないでしょうか。

朝学校に集合して、バスで連れていかれた記憶はあるのですが、何年生のときにどこへ何を見に行ったか、正直なところ覚えていません。でも、そんな社会科見学の中でも、なぜかしっかり覚えているのが、工場見学。グルグルと回るラインの上を高速で走っていく商品に目を奪われ、帰りにはお土産をもらったのを覚えています。お土産でもらえたものが良かったから覚えているのでは? と思いますよね。

筆者は調味料の工場見学だったので、子供には全く興味のない、正直もらってもあまりうれしくないはずの商品だったのですが、それでもあの年の社会科見学で行った工場見学は楽しかった記憶しかありません。今回はそんな工場見学を大人目線で再発見してみようと思います。

子供にはわからない、大人だけの楽しみ

大人こそ楽しい工場見学、それは何といっても酒類の工場でしょう。子供ではあの工場見学の醍醐味ともいえる「試飲」ができません。各社が工場見学を開催していますが、今回は、全国9カ所に工場があり、HPから予約が可能で、人数は2人からOK、土・日・祝でも見学可能(※休館日・年末年始を除く)、しかも無料で試飲もできるという、キリンビールの工場に潜入してみました(※写真、内容は2015年秋時点、キリンビール仙台工場のもの)。

大人だからこそ楽しめる「ビール工場」に潜入(※写真、内容は2015年秋時点、キリンビール仙台工場のもの)

運転手は試飲といえども飲めない

工場へ到着すると、予約の人数などを伝えて、パンフレットと一目で工場見学ツアー客と分かるよう、首からかけるネックストラップを渡されます。このとき、自家用車で来場したチームは、ドライバーのみ違うカラーのネックストラップを渡されます。

こちらはアルコール試飲OKのネックストラップです

そう、いくら試飲といえども、飲酒になりますので、運転手は飲ませてもらえません。なので、できたてのビールをがっつり飲みたいという人が行くときには、お酒を飲まないドライバーに運転してもらう、もしくは電車やバスなど公共交通機関を利用しましょう。場所によっては、最寄りの駅から無料シャトルバスの運行がある工場もあります。

時間までは、待合室で待ちます。時間になると、グループごとに点呼をされ、その後、ビデオを使った導入の座学が受け、いざ工場へ。

敷地は想像以上に広い。歩きやすい靴で参戦を

工場見学の基本は、徒歩。工場の敷地は想像以上に広く、しかも、中味をつくる工場と、パッケージングの工場が別棟になっているところでは、その間を徒歩で移動する場合もあります。また、工場内では階段を上ることもあるため、履きなれた歩きやすい靴での参加が望ましいです。

今回の工場見学のツアーでは、キリン 一番搾りについて学ぶことができました。まずは原料の麦芽やホップを確認、麦芽はかみしめると香ばしくて甘かったです。

原料の麦芽とホップ。ホップは食べられません

次に仕込み釜を見ながら、糖化やろ過などをビデオで学習。単に釜を見て、でっかーい! と通り過ぎるのではなく、要所要所でビデオ解説が入るので、楽しく学べます。

大きな仕込み釜!

また、通路には、見学者を飽きさせない仕掛けが満載。例えば、鏡を使って、実際のタンクの大きさを実感できるようになっていたり、かと思えば、今度は廊下の長さを使ってタンクの長さをあらわしていたり、はたまた温度を体感できる壁があったりと、アイデア満載です。

廊下の長さを使ってタンクの長さをあらわしている!

いよいよ試飲…?

さて、いよいよ試飲です。とはいっても、これは麦汁の試飲。一番搾り麦汁と、二番搾り麦汁の味を確かめるコーナーになります。発酵前の麦汁だから、もちろんノンアルコール。子供もドライバーも試飲ができます。

小さなプラカップに入った麦汁の味を比べます。こちらは一番搾り麦汁

一番搾り麦汁は見た目から色が濃く、味もこっくりと甘みを感じます。これが何だか懐かしい味で結構うまい。おかわりが欲しいくらいのうまさです。二番搾り麦汁はうっすーい麦茶のような味でした。

二番搾り麦汁は一番搾り麦汁より色が薄い! 味もうすーい麦茶のようでした

この麦汁を発酵させ、ろ過したものがあのうまいビールというわけです。工場見学最後のポイントは、製品になるパッケージ充填プラント。今日は瓶ビールの充填はお休みのため、ビデオで見たのちに、缶のラインへ。昨今、瓶よりも缶の方が消費者に人気があるため、瓶の充填はラッキーな人じゃないと見られないそうです。残念。

ものすごい勢いで缶が流れていきます

工場見学の最後は、缶のふたを閉める機械を間近で見ることができるブース。仙台工場限定ですが、ここで栓をした缶は、貯金箱として使用できるようになっているレアもの。一番搾り貯金缶というそうです。このときはじゃんけんで勝った1人だけがもらえました。