ジェネリック医薬品への変更意向、男女間で差

「処方された薬がジェネリック医薬品へ変更可能な場合、変更しているか」という問いについては、「毎回変更する」が最多で34.8%。次いで、「たまに変更する」(20.3%)、「ほとんど変更しない」(17.1%)、「毎回変更しない」(13.9%)、「ジェネリック医薬品を知らない」(11.6%)、「その他」(2.3%)の順であった(図3)。

ジェネリック医薬品の認知が拡がり、今では3人に1人が積極的にジェネリックを利用していることが伺える。ただし、男女間では若干の差が見られる。ジェネリック医薬品への変更意向を男女別に見ると、女性(31.1%)と比べて、男性(38.6%)の方が7.5ポイント高い割合となっている。これは、「ジェネリック医薬品を知らない」という項目において、男性(6.0%)よりも女性(17.0%)の数値が11ポイントも高いことと相関関係があると思われる。

図3:ジェネリック医薬品への変更意向に関するグラフ(男女別)

本設問への回答を年代別に見ると、「毎回変更する」という回答において、20代「25.2%」、30代「43.7%」、40代「41.4%」、50代「38.3%」となっており、20代の回答が、全体の数値を大きく引き下げている要因になっていることが分かる(図4)。20代の変更意向が低い要因としては、「ジェネリック医薬品を知らない」の数値が「22.4%(20代)」と高いことから、20代におけるジェネリック医薬品の認知度の低さが影響していると思われる。

図4:ジェネリック医薬品への変更意向に関するグラフ(年代別)

本設問において、「毎回変更する」、「たまに変更する」、「ほとんど変更しない」、「毎回変更しない」と回答した人に理由を尋ねたところ、それぞれ以下のような意見がみられた。

「毎回変更する」の理由(自由回答一部抜粋)

  • 同じ効果を得られる上、圧倒的に価格が安く済む(44歳/男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
  • 健康保険組合いが推奨しているから(44歳/男性/精密機器/技能工・運輸・設備関連)
  • 薬剤師さんに勧められる(41歳/女性/専業主婦)
  • 安いし、効き目はそれほど変わらないと言われたから(25歳/女性/食品/専門職関連)

「たまに変更する」の理由(自由回答一部抜粋)

  • 薬剤師や医師の説明に納得できるときは、変更する(24歳/男性/官公庁/公共サービス関連)
  • 効き目のある薬であれば継続するが利かない場合は別の薬を検討するようにしている(24歳/男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連 )
  • 基本的には先発薬が良いが、財布と相談する(31歳/男性/建築・土木/建築・土木関連技術職)
  • 一応、試しに服用してみて、先発薬と変わらず問題がなければ、そのままジェネリックに(40歳/女性/その他・専業主婦等)
  • メインの成分だけで判断していない。その他の成分の事など薬剤師さんに質問してから決める。基本的に漢方薬で処方してもらうように頼んである(45歳/女性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)

「ほとんど変更しない」の理由(自由回答一部抜粋)

  • 効能が心配(47歳/男性/食品/その他技術職)
  • どのタイミングで言っていいかわかりにくい(52歳/男性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)
  • 思わぬ副作用があったら困る(31歳/女性/その他・専業主婦等)
  • ジェネリックじゃない方が効果がありそうだから(27歳/女性/医療用機器・医療関連)

「毎回変更しない」の理由(自由回答一部抜粋)

  • ジェネリック医薬品に変更するのが面倒(31歳/男性/その他)
  • 今まで使い慣れた薬の方が安心(37歳/男性/その他)
  • ジェネリックをあまり信用していない(48歳/男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
  • こちらから言うのが恥ずかしい(31歳/女性/その他)

変更意向の高い層(「毎回変更する」、「たまに変更する」)は、先発医薬品と同じ効果が得られ、かつ金額が低いことに魅力を感じていることが分かる。加えて、薬剤師や健康保険組合からジェネリック医薬品を推奨されて変更する例も少なくないようだ。 一方、変更意向の低い層(「ほとんど変更しない」、「毎回変更しない」)は、ジェネリック医薬品の効能に懐疑的な意見が多く見られた。

なお、本調査における、その他の結果は以下のとおりであある。

図5:常用している薬の有無に関するグラフ(男女別)

図6:常用している薬の有無に関するグラフ(年代別)

図7:副作用の経験有無に関するグラフ(男女別)

図8:副作用の経験有無に関するグラフ(年代別)

調査時期:2016年3月25日~3月29日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:474名(男性233、女性241)
調査方法:インターネットログイン式アンケート