山陽電気鉄道は13日、新型車両6000系の報道公開を実施した。既存車両3000系の老朽化にともなう代替として導入される。新造の2編成(6000系6000編成・6001編成)と同社の現役最古参の編成(3000系3000編成)が並ぶ場面もあった。

山陽電気鉄道の新型車両6000系2編成が公開された

新型車両6000系はアルミニウム合金製車体の3両編成(Mc-T-Mc)で、川崎重工が製作を担当した。6000編成・6001編成ともに片側の先頭車にホロ枠を取り付け、2編成連結した6両編成での運用も可能となっている。各車両の連結部に転落防止ホロを標準装備し、連結時の先頭車間にも転落防止ホロを取り付けられる構造とした。ワンマン運転機能も有し、直通特急から普通まで、フレキシブルな運用に対応する。

外観は山陽電車のイメージカラーである赤を継承し、より深みのあるイノセントレッドを採用。車体側面ドア横に、昇る朝日をイメージしたというオレンジのグラデーションを施した。車内はオールロングシートで、座席はウレタン製のバケットタイプとし、1人あたりの座席幅を広げ、背もたれを高くすることで座り心地も向上。一般席は赤系、優先席は青系の配色で、兵庫県花「のじぎく」をあしらったデザインとなっている。

シート端部の袖仕切りは一部ガラス製で、圧迫感を与えずクリアな印象となった。ドア間の座席にスタンションポール、連結部付近の座席に中仕切りも設置される。車いす・ベビーカースペースは各車両に1カ所ずつ。ドア上部の車内案内表示器(1両あたり3カ所)は4カ国語(日本語・英語・中国語・韓国語)5言語表示で、行先・次駅・駅名マップ・乗換案内・開扉方向など、さまざまな情報を表示する。

6000系・3000系の新旧3編成が並んだ

6000系の車内はオールロングシート

主電動機は全閉自冷式かご形三相誘導電動機を採用。台車はボルスタ付き軸はり式空気ばね台車で、ユニットブレーキ装置も搭載する。VVVFインバータ制御装置の採用、前照灯・室内灯を含むすべての照明装置のLED化などで消費電力を削減したほか、モータ駆動音や走行中の騒音の低減にも努めたという。

報道公開では6000系6000編成・6001編成が並び、続いてデビュー当時の細い赤帯を復刻した3000系3000編成も並べての外観撮影が行われた。その後、6000系6000編成の車内を公開。同編成による車庫線内走行も行われた。

新型車両6000系は今回公開された2編成を皮切りに、今後も順次導入を進める予定。「年間2~3編成程度、数年にわたって導入していきます」との説明もあった。なお、営業運転開始時期については改めて発表するとのこと。デビューに先立ち、4月17日に一般向けの試乗会・車両見学会を開催する予定(募集はすでに終了)で、試乗会の列車は山陽姫路~山陽明石間を同日午前・午後に1往復ずつ走行する。