昨今叫ばれる"若者のテレビ離れ"。フジテレビ系バラエティ番組『さまぁ~ずの神ギ問』で、2,000人への大規模なアンケート調査が行われたり、Twitterのトレンドワードで上位に登場したりと、何かと話題に上る言葉だ。
そんな中、普段は20歳以上のテレビ視聴満足度調査を行っている「テレビウォッチャー」(データニュース社)が、10代を対象にして、現在放送されている連続ドラマの視聴実態を調査。すると、彼らの関心に"恋愛もの"というキーワードが浮上してきた。
「テレビウォッチャー」が実施している普段の調査は、関東1都6県において「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」の各年代男女各500サンプルで実施。一方、今回実施した10代を対象とした調査は、民放4局以上の系列が映る都道府県で、216サンプル(男性77、女性139)のデータを得て、現在放送されている1月クールの連続ドラマの「初回」を対象に実施された。
その結果、接触数は、1位がフジテレビの月9ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)』(毎週月曜21:00~21:54)、2位がTBS『ダメな私に恋してください(ダメ恋)』(毎週火曜22:00~22:54)と、恋愛ドラマがワンツーフィニッシュ。3位以下は全て恋愛ものではないことから、若年層がいかに恋愛ものを求めているかが伺える。
「テレビウォッチャー」が調査する"満足度"ではどうか。こちらは『いつ恋』が、日本テレビ『怪盗山猫』(毎週土曜21:00~21:54)に次ぐ2位だったが、『ダメ恋』は10位まで下がってしまった。『ダメ恋』がアラサーの恋愛模様を描く一方、『いつ恋』の方が、キャスト陣とティーン層の年代が近いことも影響しているものと想像できる。
満足度1位の『怪盗山猫』は、接触率でも3位にランクイン。日テレの土曜21時枠は、『金田一少年の事件簿』(1995年ほか)、『銀狼怪奇ファイル』(1996年)など、伝統的に若者向けドラマを中心に編成している枠だが、現在も脈々と受け継がれているそのスタイルが、10代の支持を得ているようだ。
ところで、20歳以上と10代の調査結果を比較してみると、接触率も満足度も傾向は異なっているが、そんな中でも『いつ恋』は20歳以上でも接触数2位、満足度6位に入っている。SNSでは若年層を中心に感想が飛び交っているが、フジテレビによると、実は40~50歳くらいの視聴者からの感想も後を絶たないという。
そこで同局はこのほど、45歳以上を招待した第7話(2月29日放送)の試写会を開催。すると「最初は妻が見ているのにつられて見始めたが、今ではすっかり自分がハマっている」「『東ラブ』(『東京ラブストーリー』)以来ハマりました!」「まだ見ていない同世代の方には『見たら絶対はまる!』と言いたい。自分の青春時代と重ね合わせて見てしまうはず!」といった熱いメッセージが寄せられたという。
恋愛ドラマが減少する中、この"月9"は、昨年放送された4作中3作が恋愛もの。今年も『いつ恋』の次に、福山雅治主演の『ラヴソング』が控えているなど、恋愛もので孤軍奮闘の様相となっている。世帯視聴率をとるには、10代だけに目線を向けても大きな数字にはつながらないが、将来のマーケットを見据え、無視はできない存在のはず。"若者のテレビ離れ"と戦うその姿勢は、応援していきたい。
テレビウォッチャー調べ・1月クール連続ドラマ初回「接触数」ランキング
●ティーン(10代)
1位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ、月21時)
2位『ダメな私に恋してください』(TBS、火22時)
3位『怪盗山猫』(日テレ、土21時)
4位『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』(日テレ、水22時)
5位『フラジャイル』(フジ、水22時)
6位『わたしを離さないで』(TBS、金22時)、『臨床犯罪学者・火村英生の推理』(日テレ、日22時半)
8位『スペシャリスト』(テレ朝、木21時)
9位『お義父さんと呼ばせて』(フジ、火22時)
10位『家族ノカタチ』(TBS、日21時)
11位『ナオミとカナコ』(フジ、木22時)
●20歳以上
1位『スペシャリスト』(テレ朝、木21時)
2位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ、月21時)
3位『家族ノカタチ』(TBS、日21時)
4位『怪盗山猫』(日テレ、土21時)、『わたしを離さないで』(TBS、金22時)
6位『ダメな私に恋してください』(TBS、火22時)
7位『ナオミとカナコ』(フジ、木22時)
8位『お義父さんと呼ばせて』(フジ、火22時)
9位『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』(日テレ、水22時)
10位『フラジャイル』(フジ、水22時)
11位『臨床犯罪学者・火村英生の推理』(日テレ、日22時半)
テレビウォッチャー調べ・1月クール連続ドラマ初回「満足数」ランキング
●ティーン(10代)
1位『怪盗山猫』(日テレ、土21時)
2位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ、月21時)
3位『お義父さんと呼ばせて』(フジ、火22時)
4位『ナオミとカナコ』(フジ、木22時)
5位『フラジャイル』(フジ、水22時)
6位『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』(日テレ、水22時)
7位『家族ノカタチ』(TBS、日21時)
8位『わたしを離さないで』(TBS、金22時)
9位『臨床犯罪学者・火村英生の推理』(日テレ、日22時半)
10位『ダメな私に恋してください』(TBS、火22時)
11位『スペシャリスト』(テレ朝、木21時)
●20歳以上
1位『お義父さんと呼ばせて』(フジ、火22時)
2位『ナオミとカナコ』(フジ、木22時)、『フラジャイル』(フジ、水22時)
4位『スペシャリスト』(テレ朝、木21時)
5位『臨床犯罪学者・火村英生の推理』(日テレ、日22時半)
6位『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジ、月21時)
7位『家族ノカタチ』(TBS、日21時)、『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』(日テレ、水22時)
9位『わたしを離さないで』(TBS、金22時)
10位『ダメな私に恋してください』(TBS、火22時)
11位『怪盗山猫』(日テレ、土21時)
●「テレビウォッチャー」調査概要
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)、BS(NHK BS1、NHK BSプレミアム、BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSジャパン、BSフジ、Dlife)
・サンプル数:地上波(関東1都6県)男性1,500+女性1,500=計3,000、BS(全国47都道府県)男性1,500+女性1,500=計3,000
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各500サンプル ・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを配信し、データを回収するウェブ調査
・調査内容:接触数(4段階)、録画数、視聴満足度(5段階)、番組の感想(自由記述)
※10代調査概要
・対象地域:民放4局以上の系列が映る都道府県
・対象者:11歳~19歳
・有効回答者数:216(男性77+女性139) ・対象ドラマ:NHK、民放連続ドラマ19本