東京から電車で約1時間半。埼玉県中部にある越生(おごせ)町は従来、関東三大梅林に数えられる「越生梅林」など、関東有数の観梅の名所に数えられていたが、近年はにぎわいを失いつつあった。しかし、このほど「出没! アド街ック天国」(テレビ東京)で紹介されるやいなや、街では数十年ぶりに道路が渋滞、特産品は売り切れが続出。話題のスポットとして一躍脚光を浴び、かつてないにぎわいを見せている。今回は知られざる越生町の魅力をたっぷり紹介しよう。
関東三大梅林のひとつ、越生梅林。約2ヘクタールの敷地に約1,000本の梅の木が植えられている。毎年2月下旬~3月下旬開催の「梅まつり」では園内253mをミニSLが走る(1周/税込200円)。画像提供: 越生町 |
住民の2倍の数の梅がお出迎え
越生の遊び方といえば、まずは「花」だろう。梅に限らず、桜、ツツジ、山吹など花の名所があまたあり、全国有数の巨木や名滝、パワースポット、食も充実している。また、来る4月29日越生町は「ハイキングのまち宣言」を行う。以前から越生はハイキングやサイクリングをする人に知られた場所だったが、今後、豊かな地域資源を活かす観光で地方創生につなげたいとしている。
越生は春は梅に始まり、桜や菜の花、ツツジ、山吹、アジサイと途切れることなく、花を楽しめる街だ。今、ちょうど見頃を迎えている梅は例年2月下旬から3月下旬「梅まつり」開催され、最も多くのでにぎわう。越生町の人口1万2,000人に対し、梅の本数は約2万5,000本。実に人口の2倍の梅を有しており、この季節、町は白や紅の梅に染まる。梅林に限らず、町の至る所で梅が咲き乱れる文字通り「梅の里」だ。
中でも関東三大梅林に数えられる「越生梅林」は、約2haの園内に約1,000本の梅の木があり、1350年に植えられた古木「魁雪」も見られる。梅の木は樹齢200年も経つとねじれが始まるが、650年以上生き続けている古木の姿はまた特別だ。「梅まつり」の期間中には園内をミニSLが走る、園内周の253mの観梅コースも運行される。
梅に桜にツツジに……華やかなリレーパス
梅が終わるとすぐ桜や菜の花などが見頃となる。「さくらの山公園」の300本のソメイヨシノを眺めて山頂へ上がれば、都心が一望できるビュースポット「世界無名戦士の墓」もある。ちなみにこのさくらの山公園は夜はライトアップされ、5月第二土曜日には花火大会も開かれる。
4月初めにはツツジも咲き始める。越生には約1万本が咲く関東屈指のツツジの名所「五大尊つつじ公園」、約2,500本の三つ葉ツツジが見られる「三ツ葉つつじ園」がある。中旬になれば、山吹の季節となる。和歌「七重八重 花は咲けども 山吹の……」で知られる太田道灌ゆかりの地である越生には、3,000株のヤマブキが咲く「山吹の里歴史公園」がある。
越生の花の名所はそれぞれ人気のハイキングコースにもなっており、花見とともに楽しむのもいい。ということで、楽しみ方のふたつ目は「ハイキング」。例えば、越生駅から越生梅林まで行くとすると、越生駅からさくらの山公園までは約0.7km、五大尊つづし公園までは約0.7km、越生梅林までは約2.0kmとなる。
また、山吹の里は駅の東側にあり、越生駅から0.6kmという距離にある。各スポットへは歩いて行くのがちょうどいい。越生駅はJR八高線、東武越生線が走っており、池袋から67分とアクセスもいいので、首都圏からは絶好の行楽地と言えるだろう。
越生は花だけでなく、巨木や滝、社寺などのパワースポットの集積地でもある。もちろん、細長い"アノ"ご当地グルメも健在だ。続いてはそんな魅力を紹介しよう。