不安やストレスが引き金となる場合も

意外かもしれないが、強いストレスや不安もドライマウスを誘発する。

私たちの体は、交感神経と副交感神経から成る自律神経によってコントロールされている。緊張時には交感神経が優位に、リラックス時には副交感神経が優位に働く仕組みになっており、この2つがバランスよく作用することで健康を維持している。

唾液線は副交感神経によってコントロールされているが、緊張やストレスが過度に加わると交感神経が作用し、唾液の分泌が急速に低下。そのため、口の渇きを覚えるというわけだ。その他にも、「加齢」や「薬(高血圧、花粉症、精神疾患)の副作用」なども原因となりうるので覚えておこう。

虫歯や口臭リスク増大につながる

唾液には歯や口腔内の汚れを落とす「自浄作用」があり、不足すると細菌の繁殖につながる。そのため、ドライマウスは虫歯や歯周病、口臭などのリスクも増大させてしまう。「口の中が乾燥しているだけだから問題ない」とあなどることのないようにしよう。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 今村美穂(いまむら みほ)

M.I.H.O.矯正歯科クリニック院長、MIHO歯科予防研究所 代表。日本歯科大学卒業、日本大学矯正科研修、DMACC大学(米アイオワ州)にて予防歯科プログラム作成のため渡米、研究を行う。1996年にDMACC大学卒業。日本矯正歯科学会認定医、日本成人矯正歯科学会認定医・専門医。研究内容は歯科予防・口腔機能と形態及び顎関節を含む口腔顔面の機能障害。MOSセミナー(歯科矯正セミナー、MFT口腔筋機能療法セミナー)主宰。