ロバート・ウォルターズ・ジャパンはこのほど、世界24カ国の雇用動向と職種・業種別の給与水準をまとめた「グローバル給与調査2016」を発表した。

業界により大きなばらつき

日本の給与動向については、2016年はバイリンガル人材を求める企業を中心に活発な採用活動が続くものの、「転職者に提示される給与上昇率は、業界により大きなばらつきが生じる」と予想。

給与上昇率は、消費財・小売業界が5%未満であるのに対し、医療・医薬・バイオテクノロジー、金融サービス業界は5~10%、製造業部門のエンジニア、営業、サプライチェーン、セキュリティー、データ関連のIT部門の人材は最大20%の大幅増を見込んでいる。

同社は「業界全般を通してエンジニアの技術職が不足しており、こうした技術職の給与が上がりやすい傾向にある」と話している。

「グローバル給与調査2016」(出典:ロバート・ウォルターズ・ジャパンWebサイト)

製造業では自動車・部品メーカーを筆頭に採用が続くとみられるほか、電気、電子、機械のエンジニア不足に加え、新世代車両開発のための家電や通信業界経験を持つエンジニアの需要も拡大。また、アプリケーション、セールスエンジニアの採用競争も激化すると予想している。

ソーシャルメディア、ゲーム業界の求人も増加。情報セキュリティー、クラウド、IoTのほか、大容量データの処理解析ニーズの高まりによりデータサイエンティスト、アナリスト、コンサルタントの需要も増えるとしている。

金融サービスでは社内人事・人材獲得の担当者不足が深刻化。また、医療、医薬、バイオテクノロジー企業間で引き合いが強まるほか、医療機器関連では営業人材不足を補うため、他業種からの人材獲得の動きも予想されるという。