ピースマインド・イープの調査・研究機関である国際EAP研究センターは、ストレスチェックを行った管理職5,368名(男性5,158名、女性210名)のデータをもとに「女性管理職のストレス傾向」について分析を実施した。調査期間は2015年4月~12月。

組織体制・風土に関することが女性管理職に特徴的なストレス要因

管理職におけるストレス度を比較すると、男性管理職に比べて女性管理職のストレス度が高い結果となった。ここで言う「ストレス度」とは、活気のなさ、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感などを問う設問で測定されたもので、個人のストレス反応の程度を表している。

男性管理職と女性管理職のストレス度の比較

次に、ストレス要因とストレス度の関連の強さを統計的に分析した。管理職におけるストレス度と関連の強いストレス要因を抽出したところ、仕事でエネルギーをもらって自分の生活をさらに充実させるという「ワークセルフバランス・ポジティブ」「職場での対人関係」が男女問わず関連の強い要因として抽出された。

男性管理職では「仕事のコントロール」「情緒的負担」「役割葛藤」といった主に仕事上の要因が関連の強い要因として上位に抽出されたのに対し、女性管理職では「キャリア形成」「個人の尊重」「公正な人事評価」といった組織体制・風土に関する要因が上位となっている。

管理職においてストレス度と関連の強いストレス要因

特に女性管理職のストレス度と関連の強い「キャリア形成」「個人の尊重」「公正な人事評価」といった、ストレス要因とストレス度の関係を分析した。すると、それらのストレス要因を負担に感じている女性管理職のストレス度は、そうでない女性管理職と比較して約2倍にもなることがわかった。

女性管理職に特徴的なストレス要因とストレス度の関係