QLifeは25日、在宅医療費についての意識調査結果を発表した。調査期間は2015年12月18日~24日、対象は在宅医療を受けている患者の家族500人。

自己負担額が最も大きいのは「がん」

「在宅医療を受けている頻度」を尋ねたところ、最も多いのは「月4回以上」で28.6%、次いで「月2回程度」が27.2%だった。

「最近1カ月の在宅医療費自己負担額」は平均で1万9,590円、最少額は1,000円、最大額は12万円だった。負担額で最も多いのは「5,001円~1万円」が24.1%、「5,000円以下」が21.6%、「1万1円~2万円」が19.8%、「2万1円~3万円」が14.2%だった。

「最近1カ月の在宅医療費自己負担額」

疾患別にみると、「がん」(平均2万4,840円)や「脳血管障害」(平均2万1,900円)、「痴呆症」(平均2万540円)で負担が多くみられた。

年代別に見ると、在宅医療を受けている家族の年齢が「70代未満」では、1カ月の医療費は平均2万1,610円で、最大12万円。「70代以上」では、平均1万8,890円、最大4万4,000円だった。

在宅医療の費用は想定よりも高くなる?

「在宅医療にかかわる費用をどう感じているか」聞いたところ、「思っていたより高かった」は41.0%、「想定していたとおりだった」は37.6%、「思っていたより安かった」は14.4%だった。

「在宅医療に関わる費用のうち、『想定していなかった費用』『思った以上の負担となった費用』はどのようなものか」を質問したところ、「リフォーム」「消耗品・介護費」「医療費・薬代」などがよせられた。

具体的には「襖のバリアフリー化工事、風呂場の滑りにくい床材変更と手すりの取り付け工事、トイレの便器交換工事」「介護ベッドや紙おむつ・尿取りパッドなどの使い捨て商品が思っていたより費用がかさむ」「訪問看護師の派遣代などが高い」「自分が介護できない際の外部委託する介護人の人件費」「車いすのレンタル代、送迎の費用」などだった。

「在宅医療費をどれくらい負担に感じているか」を尋ねたところ、「負担に感じている」という人は76.4%にのぼった。疾患別では「認知症」が最多の87.8%、次いで脳卒中、脳梗塞などの「脳血管障害」が81.1%となった。

「在宅医療費をどれくらい負担に感じているか」

「在宅医療費は今後増えると思うか」という問いには、「増えると思う」が71.6%、「減ると思う」が4.3%、「どちらとも言えない」が24.1%だった。