31歳でバンドとしてメジャーデビューを目指している男性に片思い中の、ひうさん(22歳・女性)からのご相談です。

【相談】

はじめまして。他の相談者さんへの回答を拝読させていただき、相談にのっていただきたくメールしました。

現在気になる方、多分好きだと思う方がいます。その方は私が働いてる会社でバイトをしている、31歳のV系バンドをされてる方です。本気でメジャーデビューを目指しているそうです。

ちょっとでも近づきたくてライブにも行ったのですが、ライブに行った後も特になにもなく、仕事での接点も最近あまりなく、どうしたら良いのかさっぱりわかりません。

ライブに行く時はこちらから連絡するので、またライブに行くべきか……どうすれば良いでしょうか? 今までで付き合った事も告白されたこともした事もなくて、かなり困ってます。

【回答】

他の相談者さまへの回答を参考にメールをいただいたとのこと。ありがとうございます。

早速本題に入りますが、彼との件。ライブに行くのは悪いことではありませんが、頻繁に行きすぎると、彼に単なるイチファンとして扱われてしまう可能性があります。彼が本気で取り組んでいるならなおさらです。

ひうさんが彼を好きな気持ちを伝えたいのであれば、別の方法でアプローチすることをオススメします。

■連絡頻度を増やしてから2人きりでの食事に誘ってみる

男女のどちらか一方、あるいは両方が恋愛感情としての「好き」という気持ちを持った場合の王道パターンですが、ライブへ頻繁に足を運ぶよりは、彼個人の気持ちがつかみやすい方法です。

その気がなければ、彼からの連絡頻度は次第に減ってくるでしょうし、恋愛感情がない相手からアプローチされ続けて、2人きりの食事にOKを出すことは考えづらいからです。女性のなかには「おいしい食事をごちそうしてもらえるなら、好きでもない相手とでも食事に行く」という声もありますが、これまで恋愛相談を受けていて、逆のケースはほぼ見受けません。

とりあえず、今よりLINEかメールする回数を増やして、頃合いを見て2人での食事に誘ってみてください。その「頃合い」というのは、残念ながらわたしには断定できません。ひうさんが彼とご自分の距離の近づき具合を見計らわなければならないのです。この時期を見極められるようにならないと、ずっと誰かに相談しないと恋愛が進められなくなるので、ここはひうさんが頑張ってください。

そして、いま22歳のひうさんには見えづらい、彼の現実に関しても追記しておきます。

■31歳でフリーターをしながらメジャーデビューを目指す彼の将来性

いまは、「結婚して子供を産むこと自体が贅沢」とささやかれることもあるほど、貧困が浮き彫りになっている時代です。結婚するための生活の土台となる、就職すらままならない人も多くなってきています。

対して彼は、自らの選択で就職をせず、バンドでメジャーデビューするという夢に向かって生きています。夢を追うことが悪いとは言いません。ですが、ひうさんには、「夢が叶わなかったときに彼は人生の"保険"をなにか持っているか」という部分に注目していただきたいのです。

ミュージシャン、タレント、アイドル、俳優など芸能界で生き残ることができるのは、ほんのごく一部の人たちだけです。わたしはこれまで11年間、フリーライターとして数多くの芸能人を取材していますが、取材履歴を振り返ると、もうメディアでは見かけなくなってしまった人のほうが多いのではないか……と感慨深い思いになります。それほど、芸能界で生きるのはとても難しいというのが現実なのです。

30代でデビューしてブレークしている方ももちろんいますが、それはレアケース。芸能界で生き残っている方の多くは、10代から20代前半でその才能を発掘され、そこからキャリアを積み上げているのが現状です。

31歳でメジャーデビューに到達していないということは、彼はその波に乗ることができていない、ということ。わたしの知人が組んでいた某バンドは、レコード会社にボーカルのみを引き抜かれたこともあります。これ、実は芸能界では珍しくないケースで、売り出す側のプロが「売れる」と判断すれば、その人材のみを切り離して受け入れることもあるのです。

「夢を叶えるためには退路を断ったほうがいい」という説もありますが、31歳で上記のような流れに乗ることができていないということは、人生の"保険"も必要になる、ということです。彼に、そのような人生設計はあるのでしょうか。もし、プロになること以外考えていないというのであれば、残念ながら彼の生き方は行き当たりばったりとしか判断できません。そのような生き方をする人は残念ながらいまのご時世、女性からお断りをされてしまうこともあります。22歳のひうさんが2年後、そのような考え方に至っているかもしれないのです。

まだ想像しづらい未来かもしれませんが、「恋は盲目」です。ひうさんと同じように、音楽でプロを目指す男性に片思いし、結果交際に至ったものの、20代後半で「彼との人生設計ができない」と悩む女性からのご相談を受けたこともあるので、彼がどれだけ危険な賭けに出ているかを忘れずに、状況を客観視しながらアプローチしてみてくださいね。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

内埜さくら(うちの さくら)
恋愛コラムニスト。2,000人以上の人物取材の経験で磨かれた、鋭い洞察力が武器。著書は『恋がガンガンうまくいく魔法のフレーズ80』(講談社)。無料のメール恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い。相談を休止中の場合もあるので詳細はブログまで。恋愛コメンテーターとして『ZIP!』(日本テレビ)、『スッキリ!!』(日本テレビ)、『ばらいろダンディ』(MX-TV)などのテレビやラジオ、雑誌にも多数出演。