ソニー生命保険は22日、「ダブルケアに関する調査」の結果を発表した。同調査は横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 相馬 直子准教授とブリストル大学(英国) 社会・政治・国際学研究科 山下 順子講師と共同で実施したもの。調査期間は8月19日~21日、対象は全国の大学生以下の子どもを持つ母親、有効回答数は1,000件。

「ダブルケア」経験者は8.2%

「ダブルケア」とは、子育てと介護に同時に携わることを指す造語。「自身のダブルケアの状況」について聞いたところ、「現在ダブルケアに直面中」は3.3%、「過去にダブルケアを経験」は4.0%、「現在直面中で、過去にも経験がある」は0.9%で、合計8.2%となった。

一方、「数年先にダブルケアに直面する」は14.4%だった。「ダブルケア経験者(現在直面中の人を含む)」と「数年先に直面する」という人の割合を合計すると22.6%となり、ダブルケアが身近な問題である人は5人に1人以上となった。

「自身のダブルケアの状況」

ダブルケアを経験したことがない918名に、「親・義親に介護が必要になった時の相談先を知っているか」を聞いたところ、「相談先を知らない」が69.7%、「相談先を知っていると思う」が30.3%となった。

ダブルケアに直面したことがある82名に、「ダブルケアの負担感はどのくらいか」を聞いたところ、「負担である」(40.2%)、「どちらかといえば負担である」(47.6%)と、約9割がダブルケアに負担感を覚えていることがわかった。一方、「あまり負担でない」は11.0%、「負担でない」は1.2%だった。

「ダブルケアで何が負担に感じるか」を聞いたところ、「精神的にしんどい」が最も多く80.5%。次いで、「体力的にしんどい」(73.2%)、「経済的負担」(69.5%)が続いた。

「ダブルケアで何が負担に感じるか」

「ダブルケアをする人にとって公的な介護サービスは現状で十分だと思うか」を聞いたところ、「十分だと思う(計)」は13.4%にとどまった。一方、「十分でないと思う」は86.6%を占めた。「公的な子育て支援サービスは現状で十分だと思うか」を聞いたところ、「十分だと思う」は15.9%、「十分でないと思う」は84.2%だった。

「ダブルケアをする人への支援で必要だと思うもの」を聞いたところ、「介護も育児も合わせて相談できる行政窓口」(90.5%)、「ダブルケア経験者が、地域で直接相談にのってくれる」「ダブルケアに直面していない人も、ダブルケア当事者も参考となる子育てと介護をテーマとしたハンドブック」(81.1%)となった。

「ダブルケアをする人への支援で必要だと思うもの」