葛西臨海水族園(東京都江戸川区臨海町)はこのほど、同園公式Webページにて、大きな緑色のイソギンチャク「ジャイアントグリーンアネモネ」を紹介した。

鮮やかな緑色の「ジャイアントグリーンアネモネ」を展示

色鮮やかで大型のイソギンチャク「ジャイアントグリーンアネモネ」を展示

大型の褐藻類(コンブのなかま)のジャイアントケルプを展示している「海藻の林」の水槽では、岩の上に緑色をしたイソギンチャクがいくつか見られる。その色鮮やかな緑色は、黒や茶色など、比較的地味な体色をした魚が多くいる水槽の中ではいっそうきれいに見えるという。

「ジャイアントグリーンアネモネ」は、太平洋東岸のアラスカからパナマにかけて分布する大型のイソギンチャク。体の高さは約30センチ、直径で約25センチにもなり、飼育下では30年以上も長生きした例が知られている。岩礁域をはじめ、港湾などいろいろな場所で見られる。

水槽にいる「ジャイアントグリーンアネモネ」の多くは昨年(2014年)、カナダのバンクーバー島で採集した個体となる。搬入してしばらくは鮮やかな緑色を維持していたが、環境が急に変わったためか、時間が経つにつれて次第に緑色が薄くなる個体が出始めた。しかし最近、水槽の条件がイソギンチャクの生育に合ってきたようで、元通りの色味が見られるようになってきた。

この色の変化は「ジャイアントグリーンアネモネ」の体の中に理由がある。実はこのイソギンチャクの体内には小さな藻類がたくさん住み着いており、この藻類が鮮やかな緑色を作り出している。藻類は光合成をして生きていくために適した光が必要で、光が充分当たらない場所にいるイソギンチャクの体色は白っぽくなるとのこと。

今回は、波に揺れる海藻の林で暮らす色鮮やかな「ジャイアントグリーンアネモネ」を観覧できる機会となる。