多摩動物公園(東京都日野市)では12月10日、サーバルの子ども2頭の展示を開始する。

公開が決まったサーバルの子どもたち(左:ルナ、右:アポロ)

母親の献身的な子育てのもと、2頭はすくすくと成長中

2頭は9月28日に誕生。当日朝、メスの「ユリ」に出産の兆候が現れ、15時11分と16時17分、2頭の誕生をモニターで確認した。「ユリ」は初産だったが、赤ちゃんをていねいにグルーミングしたり授乳したり、落ち着いて子育てをしている。サーバルの子どもが無事に育つのは2003年以来、じつに12年ぶりのこととなる。

母親「ユリ」は羽村市動物公園から2014年10月に同園に来園。来園当初約1歳だった「ユリ」の顔つきは幼く、行動にはあどけなさが感じられたが、来園から半年ほど経つ頃にはしっかりとした体つきへと成長。そして2015年7月13日、オスの「ポール」との交尾が確認された。

上・まだあどけない頃の子どもたち、下・母親「ユリ」と一緒に

それから約2カ月経つ頃に「ユリ」のお腹がふくらみ始め、みるみる大きくなっていった。サーバルの妊娠期間は75日ほどと言われているが、最終交尾から73日目の9月28日、朝から出産の兆候が少しずつ現れ、15時11分に1頭目を出産、16時17分に2頭目を無事に産んだ。初産だったため、「ユリ」は生まれてきた子に戸惑いつつも、すぐに子の全身を丁寧に舐め始めたので、モニターごしに観察していた担当者たちも安堵したという。

その後、現在にいたるまで、「ユリ」は落ち着いて子育てをしている。生後15日目に体重を測定し、性別を確認したところ、1頭はオスで 648g、もう1頭はメスで 611gと判明。オスは「アポロ」、メスは「ルナ」と命名された。

子どもたちはすくすくと成長し、12月10日から展示することが決定。寒さに弱いため正午前後の暖かい時間帯のみの公開となるが、2頭で遊ぶ姿など、かわいいさかりの子どもたちに会える機会となる。なお、展示時間は親子の体調を見ながら調整する。また、動物の健康管理の都合上、天候や気温によって展示を中止する場合がある。