俳優の小栗旬と『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督が初めてタッグを組み、2016年公開に向けて映画『ミュージアム』を制作していることが24日、明らかになった。

映画『ミュージアム』で初タッグを組む小栗旬(左)と大友啓史監督(中央は原作1巻表紙)

原作は、巴亮介氏が漫画誌『週刊ヤングマガジン』(講談社)で連載していた同名のサイコスリラー漫画。2013年の連載開始時から、過激な描写と緊迫感に満ちた展開が一部の漫画ファンの間で話題を呼び、連載終了後もSNS上で拡散。水面下では映画化権の争奪戦が繰り広げられていたという。

小栗が演じる警視庁捜査一課の沢村久志刑事は、相手を徹底的に調べ上げた上で殺し方を演出する連続猟奇殺人犯"カエル男"を追う役どころ。沢村は、新たなターゲットとして自分の妻と子どもがリストアップされていたことから犯人を追い詰めるも、周到に仕組まれた罠の中で絶望的な状況に陥っていく。

今年でスクリーンデビュー15周年を迎えた小栗。「漫画を読みきった時、本当に嫌な気持ちになりました」と吐露するも、「皆さんと一緒に考えられる作品になればと全力で演じさせていただきます」と役者としてのやりがいも。「昨今このような理解し難い事件が起こり、遠い現実ではない気がします」と前置きした上で、「なぜ、これを今突きつけるのか、どのように届けるべきなのか、初めて参加させてもらう大友監督のもと、共に探せたら」と意気込みを見せる。

一方の大友監督も「こんなにえたいの知れない怖さを感じる漫画は初めて」と読後感を語る。加えて小栗同様に、「全く思いもよらないところから、不意に顔の見えない何かが襲いかかってくる。今まで蓄積してきたものが、一瞬にして台無しにされてしまう。現代社会に巣くう、誰もが共有するそんな漠とした不安を、原作はヒリヒリ、ジリジリとあぶり出しています」と現在の社会構造に見られる切迫感も指摘。それを踏まえて、「同時代性あふれるこの素材をどう料理するのか。最も仕事をしてみたかった俳優の1人、小栗旬君と共に、大きく深く呼吸しながら取り組みたい」とアピールしている。

この世界観を創り出した原作の巴氏は、「自分が描いたモノが映画になるなんて夢のよう」と感激。さらに、大友監督と小栗のタッグを「信じられない話」と表現し、「今から完成がとても楽しみでわくわくしています。監督さん俳優さんスタッフさん、作品に携わる多くの皆様に心より感謝です」とコメントを寄せている。

映画は、11月8日にクランクイン済み。2016年の公開を目指して現在、撮影が行われている。

(C)巴亮介/講談社 (C)2016映画「ミュージアム」製作委員会