――先ほど話しにも出ました「愛すること」も大きな話題を呼びました
KATSU「『DEAD OR ALVE』を作っているのと同時くらいに発注があったのですが、最初はカノンを明るい感じで送り出したいと思っていたんです。カノンが最後に『楽園』という一騎との思い出の場所に戻ってきて、そこで一騎と会わずに一人でいってしまうという哀しいシーンで、最後の最後は自分の中で決心が付いているんだけど、お店に入った段階ではまだ迷いがあるので、イントロは明るい感じではなく、暗めにしてほしいというリクエストをいただきまして。angelaとしてはすごく明るいまま送り出したかったのですが、監督たちが言っているのだから間違いないのだろうということで、寸前になってイントロを迷いや葛藤がある感じに作り直しました。実際に映像を観たら、そういうシーンなんですよね。迷いながら入ってきて、一騎たちと会話をして、最後に納得して消えていく……。これがアニソンのすごいところで、自分たちがやりたいことをやるのではなく、制作陣みんなで作り上げる総合芸術なんだということをあらためて感じる一曲になりました」
――音楽と絵がひとつになるのもアニソンの魅力ですね
KATSU「これは、プロデューサーや監督が作品に対して愛情を持っていなければ出せないダメ出しだと思うんです。そういう意味で、これがアニソンの本当のあり方だと勉強させられましたし、助けられたと思いました。自分の中では、ファフナーの曲の中で、一、二を争うバラードになったのではないかと思います。ただ、atsukoが書いた歌詞をみたときは驚きすぎて、"いいね"しか言えなかった自分が悔しいです。それくらい良い歌詞だと思ったんですけど、atsukoはそういうところもフラットで、『これ良い曲?』みたいな(笑)」
atsuko「アーティストと呼ばれる人たちは本来、自分の主観、『オレの思いを聞いてくれ!』みたいな気持ちが強いと思うのですが、私はその主観だけを信じていないんです。信じていないので、歌詞を書いて、レコーディングするときに最初に聴いてもらうのがKATSUなので、KATSUが最初の客観なんですけど、その最初の客観がどう思うのかを大事にしています。もちろん突拍子もないことを言われたら、反論してケンカになったりもするんですけど(笑)。ただ主観だけではわからないことを時々言ってくれるので、そこは大事にしたいと思っています。良いものに対しては、ちゃんといいねと言ってくれますし」
KATSU「今回は"いいね"しか言えない自分がちょっと悔しいくらい良かったと思います」
atsuko「能戸総監督から、『すごい曲です、短い文章の中に彼女の気持ちがしっかり入っていて、本当に良い回になりそうです』というメールをいただいたり、羽原監督から『ダビングの段階で、涙を堪えるのに必死でした』と言っていただけて、うれしかったですし、本当に良かったと思いました」
――配信が決まったときの反応もすごかったです
KATSU「もともとは配信の予定がなかったんですけど、レコーディングのとき、atsukoが『この曲、良い曲?』とかって聞いてくるのが信じられないくらい、これのどこに悪い要素があるんだって思ったくらい良い曲だったので、17話が終わった後にこれを聴けないというのはお客さんに対して残酷すぎるのではないかと思いました。いつかangelaのアルバムに必ず入ってくるような曲なんですけど、それよりも先に出したいと思ったので、オンエアが終わった直後に配信できませんかって相談したらOKが出て、TVサイズですけど配信してもらうことができました」
――フルサイズもあるんですね
KATSU「レコーディングはフルサイズなんです。もうちょっと細かくカノンの気持ちが散りばめられた感じになっています。とにかく『EXODUS』の第2クールはいろいろなことがありすぎて、自分が思っていた以上の反応をもらっている気がします。完全に『EXODUS』って続きじゃないですか。昔からのファンのためのもので、新しい人が入ってくれるのかなって不安もあったんですけど、ふたを開けてみたら、『EXODUS』から見始めて、最初のファフナーを見ていますという声があったりして、すごくうれしいです」
――それでは最後に発売を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします
KATSU「『DEAD OR ALIVE』は『蒼穹のファフナー』の集大成であり、総決算的な曲になっていますが、裏のテーマとして、これから先、この曲をangelaはどんどん歌っていくので、新たな代表曲のひとつになってくれればいいなと思っています。この曲のことを忘れないでほしい、いや忘れられさせないくらい歌っていってやろうと思っています!」
atsuko「もうangelaはファフナーで、ファフナーはangelaだというのに抵抗がないくらいangelaはファフナーだと思っていて、もう同化してクロッシングして、これからもファフナー関連の曲をいたるところで死ぬまで歌っていく所存です。そんなangelaの曲をライブで体感しに遊びに来てください。よろしくお願いします」
――ありがとうございました
TVアニメ『蒼穹のファフナー EXODUS』第2クールオープニング主題歌「DEAD OR ALIVE」は、2015年11月11日の発売で、初回限定盤とアニメ盤の2ラインナップ。初回限定盤には「DEAD OR ALIVE」のMusic clipが収録されたBlu-rayが同梱される。価格は初回限定盤が1,800円(税別)で、アニメ盤が1,200円(税別)。
(C)XEBEC・FAFNER EXODUS PROJECT