東京都は23日、2015年夏期「路上生活者概数調査」の結果を公表した。調査期間は2015年8月3日から7日までの間の平日のうち1日(調査時間は昼間)で、道路、公園、河川敷、駅舎等の各施設別及び各区市町村別の人数調査を実施。なお、調査方法は各施設管理者の目視による確認調査とし、直接テントやダンボール等の中を確認したり、路上生活者に対する聴き取りは行っていない。

台東区では65人減

同調査は、都内における路上生活者数の実態を把握するために実施したもの。調査結果によると、8月時点での東京都の路上生活者数は1,555人でそのなかで女性は45人だった。そのうち都・区市町村の調査による人数は838人(区807人、市町村31人)、国管理河川が717人で、前年同月と比べると合計142人減となった。

2015年8月時点での東京都の路上生活者数

東京23区で路上生活者数が最も多かったのは「渋谷区」の117人。次いで「台東区」(100人)、「新宿区」(99人)となった。最も少なかったのは「目黒区」(2人)、「荒川区」(3人)、「練馬区」(5人)だった。

路上生活者数を前年8月と比較すると、「台東区」(65人減)をはじめ、「千代田区」「豊島区」などで減少。施設別では、都管理公園及び区管理公園での減少が顕著となった。

東京都はこれまで、路上生活者及び路上生活者となるおそれのある人を一時的に保護し、就労による自立と早期の社会復帰に向けた支援を行う「自立支援センター」などを運営するなどのホームレス防止対策を実施。

今回の「前年比142人減」という調査結果については「都と23区が共同で取り組んできた『自立支援センター』の運営をはじめとする、路上生活者対策事業等の効果が寄与しているものと考えられる」とコメントしている。