「第44回東京モーターショー2015」開催を前に、日本自動車工業会主催による「東京モーターショー60周年記念パレード」が24日、都内にて開催された。モータリゼーションの歴史を彩る名車が多数参加し、日比谷周辺の約6kmのコースを走行した。

1967年発売のマツダ「コスモスポーツ」(写真左)、今年発表されたホンダ「S660」(同右)など、新旧さまざまなクルマが日比谷周辺をパレードした

東京モーターショーの歴史は1954(昭和29)年、日比谷公園での「第1回日本自動車ショウ」から始まり、2014年に60周年を迎えた。昨年は東京モーターショーの休催年だったこともあり、今年の同ショー開催に合わせて記念のパレードが行われることに。銀座みゆき通り(帝国ホテルと日生劇場の間)を起点に、ショー発祥の地である日比谷公園付近を走り、大手町・日本橋・銀座を経て日比谷交差点に至るコースが設定された。

今回のパレードの参加車両は約70台。国内外の各年代を象徴する乗用車・商用車・二輪車がそろい、マツダ「コスモスポーツ」やスバル「360」といった往年の名車から、発表間もないスズキ新型「エスクード」、ダイハツ「キャスト スポーツ」まで、バラエティに富んだラインナップとなった。

ホンダ「S660」を池史彦氏(日本自動車工業会会長、本田技研工業代表取締役会長)、トヨタ「セリカ GT Four」を豊田章男氏(トヨタ自動車代表取締役社長)が運転するなど、各社トップが自らハンドルを握り、公道を走ることも注目された。東京モーターショー会期中に発行される日刊情報誌「Tokyo Motor Show News」で表紙を飾る予定のプロフィギュアスケーター、荒川静香さんもパレードに参加し、ヤマハ「BOLT-R」を運転した。

パレードの先頭を走ったホンダ「S660」。ボンネットに各社トップの思いが署名入りで記されていた

パレード後の会見にトヨタ・ホンダ・日産の代表がそろう

プロフィギュアスケーターの荒川静香さんもパレードに参加

マツダ「コスモスポーツ」は初めてロータリーエンジンを搭載した量産車。パレードでは同社代表取締役社長、小飼雅道氏が運転した

パレード終了後に会見も行われ、池史彦氏、豊田章男氏らが記者からの質問に答えた。実際に走行しての感想を聞かれた池氏は、「気持ちいい。最高ですね」とコメント。レーシングスーツ姿の豊田氏は、「『あ、社長だ』『モリゾウさんだ』という反応の人もいれば、急にお辞儀してくる人もいました(笑)。沿道の多くの人たちと目が合ったけど、みんな目が輝いているんですよ」とパレードを振り返った。

開催直前となった東京モーターショーに関して、豊田氏は「クルマっていいなと、1人でも多く感じてもらえるショーにしたい。その思いは各メーカー共通です。ぜひ足を運んで、見て感じて、世界に発信していただけたら」とコメント。池氏も、「今回は古いクルマが中心でしたが、東京モーターショーでは10~20年先を見据えたクルマが見られます。ショーを通じて、クルマの過去・現在・未来を見てほしい」と話していた。

往年の名車と最新モデルが公道上で"共演"。途中で動かなくなり、スタッフ数人に後押しされるハプニングも見られたが、最終的には全車両無事にゴールに到着した

「第44回東京モーターショー2015」は10月28・29日のプレスデー(10月29日午後はプレビューデー)を経て、10月30日から11月8日まで一般公開。東京ビッグサイトを会場に開催され、世界11カ国から合計160社が参加する。国内のすべての乗用車・商用車・二輪車メーカー14社15ブランド、海外メーカー16社26ブランドが出展する予定だ。

「東京モーターショー60周年記念パレード」おもな参加車両