JALと、ispaceが運営する日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO」(ハクト)とは10月22日、コーポレートパートナー契約を締結したことを発表した。同契約は、JALが2014年6月に発表した「チャレンジJAL宣言」の理念のもと今回のハクトのチャレンジに賛同し、ハクトが開発している月面探査機「ローバー」と、JALが運航するボーイング787型機が同様に炭素繊維を採用していることが契機となり実現した。

世界初の民間による月面探査を目指すハクトにJALが協働

今後ハクトは、JALで培われてきた整備技術やトラブルシューティングの手法を月面探査機「ローバー」の運用・保守に応用するなど、技術的な連携を視野に入れてお互いに協働することで、世界初の民間による月面探査を目指す。

ハクトは現在、国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」(GLXP)に挑戦している。GLXPはGoogleがスポンサーとなりXPRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競う総額3,000万ドルの国際賞金レース。同レースのミッションは、月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上走行し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。1位のチームには賞金2,000万ドル、2位のチームには賞金500万ドルが与えられ、現在世界各国から18チームが参加している。

また、ハクトは現在、月面に民間開発の無人探査機を着陸させ500m以上走行し、高解像度の動画や静止画データを地球に送信する「GLXPミッション」の達成に向けて月面探査機「ローバー」を開発している。その開発において、「ローバー」の小型・軽量化のために様々な新素材を積極的に取り入れている。

カーボン素材(炭素繊維強化プラスチック)もそのひとつで、炭素繊維は比重が鉄の4分の1であるにも関わらず強度は10倍にもなり、アルミニウムと比較しても大幅に軽量化できる。同様の炭素繊維がボーイング787型機でも採用されており、強度を高めながら機体重量を軽量化したことなどにより、従来の同クラス機体と比較して燃費を約20%改善している。

ハクトはispaceが運営する、日本で唯一GLXPに参加するチーム。ベンチャーや大学、プロボノと様々なバックグラウンドをもった人材が集まり、それぞれの特技を生かし合って月面探査ローバーの開発を行っている。2015年1月にGLXP中間賞の「モビリティサブシステム」部門を受賞した。