アデコは、全国の経営層を含む係長以上の管理職2,402人を対象に、「育児支援度」に関するアンケート調査を実施した。調査期間は2015年7月。
6割以上が「育児中の部下に対して育児支援を行った」と回答
育児中の部下を持ったことがある889人を対象に「育児中の部下に対して、育児休業の取得や時短勤務を推進し、育児支援をしてきましたか?」と尋ねたところ、66.3%が「はい」と回答した。
実際にどのような育児支援に取り組んだか尋ねたところ、1位は女性社員に対して「育児のための時短勤務やフレックス勤務を積極的に取らせるようにした」(58.9%)、2位も女性社員に対して「育児休暇を積極的に取らせるようにした」(57.0%)、3位は「仕事の量や内容を調整したり、在宅勤務を勧めるなどした」(47.0%)だった。
一方、男性社員に対して「育児のための時短勤務やフレックス勤務を積極的に取らせるようにした」は11.9%、「育児休暇を積極的に取らせるようにした」は11.2%で、いずれもわずか1割であることがわかった。
育児支援に努めている管理職ほど、当事者意識を持って支援している
「育児支援に努めている」と回答した管理職589人と、「育児支援に努めていない」と回答した管理職300人に対し、日本企業がより一層の『社員の育児支援』を進めていくために必要なことは何だと思うか聞いた。
すると、「育児支援に努めている」と答えた回答者は「管理職以上の社員の意識改革」(54.8%)を挙げていたのに対し、「育児支援に努めていない」と答えた回答者は「経営者の意識改革、あるいは育児支援を推し進めるリーダーシップ」(40.0%)だった。「育児支援に努めている」と回答した管理職ほど、当事者意識を持って支援に取り組んでいることがわかる。
「育児支援に努めていない」と回答した管理職300人に対し、これまで、部下に対する育児支援に取り組まなかった理由を聞くと、「必要性を感じなかった」(44.3%)が最も多かった。年代で比較すると、「必要性を感じなかったため」を選んだ割合がもっとも多かったのは「60歳以上」(53.1%)となっている。
役職で比較すると、「必要性を感じなかったため」を選んだ割合がもっとも多かったのは「会長・社長」 (51.5%)で、企業のトップの育児支援に対する意識の低さが明らかとなった。
また、「社長・会長」の30.3%、「役員」の32.3%が、これまで、部下に対する育児支援に取り組まなかった理由として「育児支援をするための財政的、人員的な余裕が会社にないため」と回答した。一方、「部長」以下で同選択肢を選んだ割合は10%前後で、経営層と管理職における考え方の違いが浮き彫りとなった。