アン・ハサウェイ主演最新作『マイ・インターン』(10月10日公開)のナンシー・マイヤーズ監督がこのほど、近年の映画業界の変化や、映画業界にこだわる理由を語った。

『マイ・インターン』ベン役のロバート・デ・ニーロ(左)とジュールズ役のアン・ハサウェイ(右)

ナンシー・マイヤーズは、リンジー・ローハン主演作『ファミリー・ゲーム/双子の天使』(98)で監督デビュー。以降、ハリウッドの第一線で活躍し、『ホリデイ』(06)や『恋愛適齢期』(03)など、"女性の生き方"をテーマに映画を撮ってきた。

そんな彼女は、現在の映画業界では、オリジナルの内容を映画化することが以前に比べ難しくなっていると話す。「最近のハリウッドでは、スーパーヒーローが出てくるスケールの大きい映画がよく作られているわ」と語り、『マイ・インターン』について「この作品は仕事をしながら家庭も両立させる働く女性が主人公なの。映画館に行くとこの手の映画があまり上映されていないことが分かるでしょ。だから製作スタジオがなかなか決まらなくて、この映画を実現させるのは本当に難しかったわ」とコメント。男社会のハリウッドで成功を収めた彼女ですら、オリジナル作品を映画化するのに苦労したという。

そして、続編ものやアメコミ映画が多く製作されている現状に対し、「より才能のある人たちはNetflixやテレビ業界に行くようになったんだと思う。テレビの方が自由だし、ユニークな作品を発信できる場所だから」と分析。自身についても「今まで私もテレビシリーズのアプローチはあったわ。オリジナルな内容を作らせてもらえるし、新鮮なアイデアを使うことができると思ったの。だから今後テレビシリーズを作る可能性もあるわ」と、より自由な作品を作れるテレビ業界への進出も考えていると明かす。

「それでも今は映画業界にとどまったの」と話すナンシーは、「今後の映画業界がどうなるかとても興味深い」と言い、「中には大作でもうまくいっていないものもあるけれど、エリザベス・バンクスが監督した『ピッチ・パーフェクト2』のように女性監督で大成功した映画もある」と、女性の活躍の場が広がっていることに期待。さらに、「私は映画の現場で仕事をするのが好きなの。これからも私の大切に思うことや考えていることを描いていきたい。映画は今まで人生をかけてやってきたことだから」と映画業界にこだわる理由を熱く語った。

最新作『マイ・インターン』は、アン・ハサウェイがファッションサイトの社長を演じ、あたかも『プラダを着た悪魔』の主人公の後日談のような、新たな出会いと試練を描く。

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