何かと大きな支出が続き、貯蓄額が増えないと悩む30代ファミリー層。他の家の貯蓄額、気になりませんか?

結婚や出産、さらにはマイホーム購入を検討……と、将来に向けてお金が大きく動き出す30代。だからこそ、同年代の他の家庭の貯蓄額が気になる人も少なくないのではないでしょうか。ここでは、30代ファミリー層の平均的な貯蓄やその割合について、データをもとに確認をしてみましょう。

30歳代ファミリーの預貯金平均額は370万円

30代は前述の通り大きな出費が続く世代です。なかなかお金を貯蓄に回せないという家庭も多いようです。金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査(2014年)」によると、ファミリー世帯が保有している預貯金の平均金額は948万円。保険や株式、投資信託などの預貯金以外の金融資産を含めると平均保有額は1,753万円とより多くなります。30歳代ファミリーでは預貯金の平均額は370万円、その他金融資産を含めると656万円と全体の4割にも届きません。

その他金融資産のうち、最も大きいのが生命保険で135万円。次いで株式が51万円、財形貯蓄が33万円、個人年金保険が22万円と続きます。

43.5%の家庭が「1年前と比べて金融資産の保有残高が増えた」と答えていますが、その理由として「定期的な収入が増えた」が最も多く、給料などの収入アップを貯蓄に回せた模様です。しかしながら増えた割合は1.6割で、大幅アップとはいかないよう。

逆に「1年前と比べて金融資産の保有残高が減った」という家庭は23.1%という結果になっており、増えた家庭より少ないものの、減った割合は3.6割と、増加割合より減少割合の方が大きいのがわかります。減少理由はやはり「土地・住宅購入費用として支出」「耐久消費財(自動車・家具・家電等)の購入」「定期的な収入減少のため預貯金の取り崩し」、そして「子供の教育費用」が上位を占めています。

この年代は借入金も多く、平均では1,609万円。平均年間返済額は40万円なので、1カ月当たり約3万4,000円がローン返済のための支出です。一方、この年代が貯蓄に回しているのは年間手取り収入の13%。30歳代の平均年間手取り収入(税引き後)が449万円なので、年間58万3,700円、1カ月当たりでは約4万8,000円を貯蓄に回していることになります。

30歳代が考える金融資産目標金額は平均して1,812万円。貯蓄目的はトップは「子どもの教育資金」。「病気や不時の災害への備え」および「老後の生活資金」を抜いての1位です。ローン返済があるうちは目標達成も厳しく感じられますが、貯蓄方法を工夫することも必要でしょう。

例えば、給与天引き、自動引き落とし可能な財形貯蓄や投資信託などの「先取り貯蓄」を増やす、ボーナスをまるごと貯蓄に回す、児童手当には手をつけず全額貯蓄することなどがおススメです。小学校入学から中学卒業までの期間、児童手当を全額貯蓄するだけで、子供1人当たり108万円(2015年現在)貯金できることになりますよ。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

武田明日香
エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー
南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。
お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)