日本人の大好きなすしダネといえばマグロ。中でも中トロ、大トロは人気の部位となっている。しかし最近、サーモンの人気が急上昇。特に若い層でサーモンの人気が高まっている。そんな中、宅配すしチェーン「銀のさら」では、期間限定で「トロサーモン」と「炙りトロサーモン」を販売。サーモンのトロ!? というか、そもそも"トロ"ってなんだ!?

"トロ"って結局何なんだ(写真はマグロの「中トロ」)

"トロ"にルールなし!?

ライドオン・エクスプレスの商品部・食材チームの原島一郎氏

その疑問に答えてくれたのは、宅配すしチェーン「銀のさら」を展開するライドオン・エクスプレスの商品部・食材チームの原島一郎氏。まずマグロのトロについて聞いてみた。中トロと大トロの差って何でしょうか。

同氏によると、「"トロ"と呼ばれる部位の厳密な定義はありません」とのこと。えっ、ないんですか!? では大トロや中トロの"トロ"も、銀のさらで販売しているトロサーモンの"トロ"もなんとなく雰囲気で名づけているのでは……。

「魚の脂がよくのっている部位を"トロ"と呼びます。取り扱う店舗にもよりますが、"大トロ"は、脂がたっぷりのったマグロの腹の"ハラモ"という部分を指すことが多いですね。"大トロ"ほどは脂がのっていないが赤身と調和がとれた部分を"中トロ"と呼ぶわけですが、それらを分けて呼ぶための定義があるわけではありません」。

サケの半身。写真上部が背中、下部が腹となっている

なるほど……。では"トロサーモン"の"トロ"はどうなのだろう。筆者が疑問をぶつけると、なんと本物のサーモンの半身を使って説明してくれた。

「このサーモンの半身で言うと、腹側の最下部にある突出した部分が"トロサーモン"にあたります。いわゆる"ハラス"の部位ですね。当社では、この部位のように、サーモンの身の中でも脂ののりきった部分だけを"トロ"としています」。

原島氏いわく、サーモンの身の脂は背中側ほど少なく、腹側ほど多いそう。腹側でも最も脂ののった"トロ"の部分は厚みもそれほどなく、サーモン1匹のうちの3~5%ほどしかないそうだ。

写真手前の部分が"トロ"! 脂ののりの良さが見た目にも明らか

脂ののった腹側にいくほど身の厚みも減る

絶品「トロサーモン」を味わう

疑問が氷解したところで、早速"トロ"を味わってみる。同社は9月15日までの期間・数量限定で、「銀のさら」にて「トロサーモン」「炙りトロサーモン」(共に1貫190円)を提供している。

(写真左から)「トロサーモン」「炙りトロサーモン」(共に1貫190円)

「トロサーモン」は、口の中で脂がふわりとほどける上品で濃厚な味わい。ショウガとネギのトッピングがさわやかさを添える。焼き目の香ばしさを楽しめる「炙りトロサーモン」は、濃厚な旨みもありながらほどよく脂の落ちたあっさりした一品だ。

この2つが入った桶「朱(あか)」(1人前1,590円~5人前7,950円)も9月15日までの期間限定で提供。旬のすしダネを使った季節限定すし「炙りタチウオ」(1貫190円)と「うなぎ」(1貫210円)、さらにマグロの「中トロ」(1貫430円)も味わえる豪華メニューとなっている。

中トロや季節限定すしも入った「朱(あか)」(1人前1,590円~5人前7,950円)

「炙りタチウオ」は、炙りによる香ばしさとトッピングのゆずこしょうの香りの共演を楽しめる。「うなぎ」はやわらかく肉厚。2品とも"トロ"に負けない存在感だ

「炙りタチウオ」(1貫190円)

「うなぎ」(1貫210円)

店により異なるという"トロ"の定義。だからこそ、"トロ"の看板を背負うメニューには、その店の自信や誇りが表れているのかもしれない。

※価格は全て税別

※地域により商品内容が異なります