お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、8日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ボクらの時代』(毎週日曜7:00~7:30)に出演し、反響を呼んだ小説「火花」の執筆秘話を語った。

小説「火花」が話題の又吉直樹

今年、初となる純文学作品「火花」を発表した又吉。掲載された文芸誌『文学界』は異例の大増刷となり、3月11日には初版15万部での書籍化も決定している。この日は、プライベートで親交のある芥川賞作家・中村文則氏と直木賞作家・西加奈子氏と共に出演し、その中で小説の話題に触れた。

数多くの連載を抱える又吉だが、「小説はほかの文章と全然違いますね」と語る。「ムチャクチャ集中して、何時間もかけて充実して書けたと思ったのに3枚ぐらいしか進んでなかったり。これ、なんなんやろうと」と初めての経験だったようで、「エッセイとかだと10枚、20枚ぐらい書けている感覚なのに」とその違いを表現した。

また、西氏から「芸人と作家の切り替え」について質問されると、又吉は「芸人側から小説はいけるんですけど、小説書いてて芸人のところに行くと難しかったですね」とコメント。「途中では絶対に書かないようにして、書いた後は寝て仕事に行くようにしていました」と私生活での工夫を明かした。

そんな又吉のデビュー作を、中村氏は「面白かった」と絶賛。西氏は「(作風には)何を読んできたかが出る」とした上で、又吉が読書家であることから読む前は「すごく教科書っぽい小説だったらどうしようか」という不安も。しかし、「素直で真摯。一切そういう目で小説を読んでこなかった」「本当に素直に小説を受け止めてくださっていたんだなって」と伝わり、感動のあまり涙を流してしまったという。