3月6日より2週間限定で劇場公開されるアニメーション作品『劇場版 シドニアの騎士』の完成披露試写会が23日、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、星白閑役の洲崎綾、小林艦長役の大原さやか、仄姉妹役の喜多村英梨、静野孔文監督、瀬下寛之副監督、応援団長のアニマル浜口が登壇した。
本編上映後に行われたスペシャルトークショーは、まず洲崎、大原、喜多村のキャスト陣によるクロストークから。大原が「音を収録してから映像を作っていく"プレスコ"という手法のため、アフレコから1年半くらい経ってしまっているので懐かしいですよね」と問いかけると、洲崎は「新アングルや戦闘シーンなど、TV放送では気がつかなかったところが見えるので、新しい魅力にあふれています」と劇場版の見どころを解説。喜多村の「TVシリーズを演じている我々としては、どのカットが削ぎ落とされるのか不安はありました」と演者らしい感想に、後に加わった瀬下副監督が「そこは静野監督が容赦なく、バリバリと……」と付け加えた。
瀬下副監督は、本編の再構成にあたり、2時間にまとめてくれというオーダーを受けており「内容が詰め込まれているので2時間は無理だよって。それをまとめてしまうんですからすごいです」と静野監督の敏腕っぷりに感服。そんな静野監督は「TVシリーズの時点で、表現が必要な削れないシーンを選んでいたので、これは無理だなと。プロデューサーに2時間にまとめたらつまらない作品になってしまいますよ。やめましょう」と当初の心境を吐露すると、演者たちから「知らなかった!」「プロトタイプ気になります!」という声が。その後紆余曲折を経て、谷風長道と星白閑を中心としたストーリーで再構成していったことを明かした。
また、4月より放送のアニメ第2期『シドニアの騎士 第九惑星戦役』について瀬下副監督は「ネタバレの線引が難しいんですよね。ツムギという重要なキャラクターが活躍することだけは間違いないです。ってこれじゃ何もわからないですよね」と自嘲気味に語ると、会場は大爆笑。また、この日はコミック『シドニアの騎士』第14巻の発売日でもあり、瀬下副監督がズポンのポケットから最新刊を取り出す一幕も。
そして、スペシャルゲストのアニマル浜口がハイテンションでステージに登場。普段から額に巻いている"アニマル浜口"の鉢巻は、スペシャルバージョンの"アニメ浜口"に変更されており、さらに自ら筆をとったという「シドニアの騎士」と書かれたTシャツを身につけていた。登場からハイテンションの浜口は、谷風長道について「戦いの中に身を投じる長道、いい男だ!」と太鼓判。さらには「戦いの中に温泉シーンがあって、にくいですね。アングルの見せ方も素晴らしい。女性を正面からではなく斜めから撮る。男性陣は大いに喜んだでしょう」と大絶賛していた。
また、アテネ、北京と2回のオリンピックで銅メダルを獲得する女子レスリング選手で、実子・浜口京子とのエピソードを交えつつ、諦めないことの重要性を説くと、洲崎は「私も万策尽きても、ネバー・ギブアップでがんばろうと思います!」と感銘を受けた様子。そんな洲崎に胸を打たれたのか浜口は突然「諦めない!」を連呼。洲崎も声を合わせ、最後に浜口は、全員を巻き込んで「シドニア!」十連発をおみまいし、満足そうな表情を浮かべながら降壇した。
怒涛の"浜口節"にあっけに取られていた登壇者だが、再びトークは作品の内容に。浜口も絶賛した"入浴"シーンについて「あのシーン、すごくこだわったらしいですね。どうなんですか?」と洲崎が問うと、静野監督は「漫画だと長道のお尻のアップで終わってしまう。それだとファンは喜ばないかなと思って、緑川纈にがんばってもらいました」、瀬下副監督も「監督からコンテを受け取った際に、長道のお尻じゃ面白くないから、この子(緑川纈)のお尻でと言われて、100%同意しました」と全力で賛成したことを明かした。
最後に洲崎は「アニマル浜口さんに持って行かれた感はありますが、『シドニアの騎士』は大ヒット間違いないなと感じました。2週間限定公開なので、4月から2期も始まりますし、ますます精進してがんばっていきたいと思います」と締めくくった。