P&Gらペット関連企業および獣医師で構成する「ペット長寿国プロジェクト」を監修する獣医師 草場治雄先生は、ペットの健康長寿のために必要な3つのことを明かした。

草場先生によれば、ペットの健康長寿のためには、「元来肉食動物である犬や猫にとって消化のしやすい良質な動物性たんぱく質を含んだフードを与えること」をはじめ、「運動不足は肥満や臓器全般の衰退を引き起こし、病気に対する抵抗力を低下させてしまうため、適度な運動を行うこと」、「日ごろからスキンシップを行って健康な状態をしっかりと把握しておくことと定期健診を行うこと」といった「食事」「運動」「定期予防」の3つが大切であると解説した。

ペット長寿国プロジェクトによると、その3つのなかでも、消化機能が低下するシニア期のペットには消化吸収に適した動物性たんぱく質中心のフードを与えることが特に重要だという。動物性たんぱく質中心のフードの見分け方は、ペットフードのパッケージに記載されている原材料名がポイント。原材料名は含有量が多い物から表記されているので、肉類が一番最初に記載されている製品を選ぶことで動物性たんぱく質中心のフードを見つけることができるとのことだ。

また、自宅で犬猫を飼っており、飼っているペットを主に世話をしている、獣医・ペット関係者、マスコミ関係者、マーケティング・市場調査関係者を除く全国30~79歳の以下の男女1000人を対象に実施した「ペットの高齢化とケアに関する調査」によれば、79.1%の人が「ペットの『健康寿命』を延ばしたい」と回答。

しかし、その一方で「ペットの健康寿命を延ばすため、ペットケアに関する知識は充分だと感じていますか」という問いに対して、「充分」と答えた人はわずか16.6%。「ペットケアに関する知識を増やせば、ペットの健康長寿を伸ばすことができる」との設問には、「とてもそう思う」(12.1%)、「どちらかといえばそう思う」(69.1%)を合わせて約9割が「そう思う」と感じていることがわかった。

さらに、ペットを飼育する上での不安を訊ねる質問では、ペットの年齢が上がるにつれて「自分がペットの年齢に沿ったケアができるか」「ペットの老後のケア、介護ができるか」という項目が高い割合を示す傾向にあった。11歳以上のペットの飼い主の53.6%が「ペットの老後のケア、介護ができるか」に対して不安を感じていた。