2011年にグラビアデビューし、ファーストDVDでいきなりAmazonランキング1位の売り上げを記録するなど、芸能界に彗星のごとく現れた佐々木心音。グラビア界を席巻した後、銀幕本格デビュー作となった映画『フィギュアなあなた』(13年)でフルヌードの体当たり演技を披露したことが話題になった。

今年最初の出演作となる映画『スキマスキ』(2月7日公開)は、"隙間"に猛烈な愛着を感じてしまう大学生・ヘイサク(町田啓太)が、隣家のカーテンの隙間から見える佐々木演じる美女・文緒に恋心を抱く物語。佐々木はこの作品の「興味」というテーマに打って付けの存在だ。

芸能界デビュー前から舞台役者として活動する一方、母との親子バンドも結成。幼少期から次々と習い事を変え、最近ではCM制作も手掛けるなど、佐々木は「興味」を原動力にこれまでの人生を歩んできた。そんな彼女の資質はどのような環境で育まれたのか。フルヌードの経緯やグラビアデビュー秘話、そして「佐々木心音」の将来像についても語ってもらった。

――『スキマスキ』を観て、大学生に戻りたくなりました。

映画『スキマスキ』で町田啓太と共に主演を務めた佐々木心音 撮影:大塚素久(SYASYA)

ありがとうございます。うれしい! メインの5人は感覚が似ているのか、すごく仲良くて。皆さん、ほぼ初対面だったんですけど、すごく楽しかったです。

――中でも印象的だったのが居酒屋での酔っ払うシーン。本当に飲んでますよね?

いや、飲んでないです(笑)。監督からは「自由にやってください」と言われていて、本当に楽しみながら撮影させていただきました。文緒との唯一の共通点が「酔い方」なんです。すごくお酒が弱いくせにめちゃめちゃ好きで、飲みだすと楽しくなっちゃて勢い任せみたいなところがあります。両親が飲兵衛で(笑)。

――お母さんとの親子バンド・CO906.(こころ)を組んだのが2010年。結成のきっかけは?

もともと母がバックミュージシャンをやっているのを見ていて。私もピアノを習いながら、「ちょっとやってみたいな」という気持ちで曲を作って、弾き語りなんかをやったりしていたんですが、歌とピアノを両方やるのは限界があるので楽器をやってくれる相方を探していたんです。結果、すごく近くに(笑)。一緒にやろうと言いながら、すでに曲を作っていました。

――作詞や作曲の創作活動は常日頃から?

携帯のメモはほとんど作詞で、あとは気に入った言葉とかを書きとめてようにしています。

――その有り余るエネルギーは一体どこから…。今回取材をさせていただく上で、佐々木さんの肩書は一体どれだろうと。女優、グラビアアイドル、歌手…。

よく「正しいジャンルはどれですか?」と聞かれるんですけど、その時は「正しいジャンルはどれですか?」と逆質問するようにしています(笑)。女優はまだまだやりたいですし、メインなのかなとは思いますけど。

――劇中でのセリフ「覗いているだけじゃ感触は分からない」が佐々木さんにピッタリだと感じました。何事も試してみるタイプですか?

そうですね。とりあえず、やりたいと思ったらやってみます。小さいころからですね。ピアノは意外と長く続いたんですけど、次にクラシックバレエをやってすぐに飽きてやめて。その後も、ヒップホップ、ジャズ、モダンバレエ、日本舞踊、タップなどいろいろなダンスを習ったんですが、基礎を取得しちゃうと冷めてしまうみたいで(笑)。

――そうすると、先ほどの3つの肩書は唯一残っているものということですね。

そうですね、きっとそれ以外は飽きちゃってダメなんでしょうね(笑)。

――趣味や恋愛など、そのほかのことについても同じですか?

うーん…最近は意外と冷めてしまっているかもしれません(笑)。絵を描くのはずっと続いています。あとは本や漫画、映画もすごく好きです。

――それだけの経験がいつかすごいものを生み出しそうな気がします。

どうなんですかね。グラビアと歌手は真逆すぎて、みんなついていけないみたいで。そこの間に役者という仕事が入ってきたので、その3つがきれいな丸になればいいかなと思います。ちょうどいい感じのバランスになってきたんじゃないでしょうか。

――高校時代から歌や演劇をやっていたそうですね。今回の撮影では大学生気分を味わえて楽しかったそうですが、当時は大学に進学するという選択肢はなかったんですか。

親からは行きなさいと言われていたんですけど、遊ぶことも好きなので、大学に行ったらそっちに熱中してしまって「芝居をやりたい」という熱が冷めてしまうんじゃないかなと思って、進学しないことを決めました。

――今、ふと思ったんですが習い事をやめる時、ご両親から怒られませんでしたか?

普通は怒りますよね! よく怒られなかったなと思います(笑)。たぶん、諦めに近かったんじゃないかなと。