映画『柘榴坂の仇討』のプレミア試写会が9日、都内で行われ、キャストの中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖と若松節朗監督、原作者の浅田次郎が出席した。

映画『柘榴坂の仇討』のプレミア試写会に出席した真飛聖、阿部寛、中井貴一、広末涼子(左から)

本作は、浅田の短編集『五郎治御殿始末』の中の同名作を実写化した本格時代劇。桜田門外の変で主君・井伊直弼(中村吉右衛門)を目の前で失った彦根藩士の志村金吾(中井)は、仇を追い続ける。明治になり、ついに仇である佐橋十兵衛(阿部)を探し出すも、新政府は仇討禁止令を布告していた――というストーリーで、映画は20日から全国公開する。

主演の中井は、「観た方の反応が良くて怖いくらい」とうれしい悲鳴をあげ、「真正面から日本人の心を映し出したつもり。時代劇を作ることは我々の使命だと思っている」とアピールすると、原作者の浅田も、「素晴らしい映画に仕立てて頂いて、作家冥利に尽きる」と大絶賛。一方の阿部は、中井と敵役ということもあり、「現場で全く話をしないつもりだったのに、初日にトイレであってしまった」と笑いを誘いつつ、「そういう緊張感が作品に映っていると思う」と胸を張ると、中井は苦笑いで「久々に寂しいと思いました」と撮影時の心境を振り返った。

また、中井演じる金吾の妻・セツを演じた広末は、「背筋が伸びて心が洗われる作品に参加でき、覚悟とプライドを持った金吾さんの妻を演じることができて本当に幸せでした」と感慨深げで、初共演した中井との夫婦役に、「オンオフ変わらずにいらっしゃって、『この人を支えてついていく』というのが自然とできました」とにっこり。そんな広末の出演は中井の熱望により決定したそうで、「飛行機の機内で映画を見てたら、広末さんの1カットが印象に残って。監督にお願いして望みが叶いました」と満足げな笑みを浮かべると、若松監督に「広末さんのことをじーっと見つめてました」と暴露されて照れ笑いしていた。