“団塊の世代”と呼ばれる、戦後の第1次ベビーブーム時代の1947年~1949年生まれの年齢層。高度経済成長期やバブル期を支えた中心と言える層が昨今リタイアをし、そのまま“アクティブシニア層”として、世の中の消費活動を支えていると言われている。こうした層は、定年後も健康・高級志向が強く、消費傾向も活発で、消費者市場でも注目されている世代だ。そうしたなか、各社がアクティブシニアに向けた商品を多数発売している。今回はそうした一例をご紹介したい。

アクティブシニアに向けた商品群

ヤクルト ゴールド

健康志向の高いアクティブシニア向けにヤクルトが発売した「ヤクルト ゴールド」。「ヤクルト」といえば“乳酸菌シロタ株”でおなじみの乳酸菌飲料だが、「ヤクルト ゴールド」は60代以上のシニア層向けに高付加価値を提供する一歩グレードアップした新商品。“乳酸菌 シロタ株”」が1本に200億個含まれているのに加え、シニア層において摂取志向の高いグルコサミン50mg、ローヤルゼリー10mg、カルシウム32mg、ビタミンC24mg、ビタミンD1.1μgが配合されている。また、「New ヤクルト」よりも無脂乳固形分が約10%多い3.5%にすることで、コクのあるおいしさと、酸味と甘みを抑えたマイルドな風味に仕上げられているのも特徴だ。

アーモンドグリコ < ソフトタイプ >

1955年の発売以来、“ 1粒で2度おいしい ” のキャッチフレーズでおなじみのキャラメルで若い頃に慣れ親しんだアーモンドグリコ。アーモンドグリコ < ソフトタイプ >は、歯にくっつきやすいという理由で離れてしまう高齢者に配慮して生まれたもの。高齢の方にも食べやすいように、噛み心地が柔らかく歯につきにくいように配合バランスが調整されているのが特徴だ。

歯につきにくいガム

こちらもやはり“歯につきやすい”という高齢者の懸念に配慮した商品。虫歯予防に効果があるとされる人気のキシリトールガムを、ガムベースを歯につきにくいものに変更した。義歯を持つシニアにもキシリトールによる虫歯予防を習慣化できるように考えられているほか、王道のミント味に加え、高齢者が好みそうなゆずの香りをベースにレモンの香りをミックスした“ゆずミックス”味をラインナップしている。

こうした商品を発売した経緯について、ヤクルトの担当者は「近年、乳酸菌の優位性を訴求することで需要が喚起され、乳酸菌飲料およびヨーグルトを含めたプロバイオティクス市場は拡大しています。また、総人口のうち、65歳以上の方々が占める割合は、今後も増加傾向にあります。そこで、シニア層が望む機能成分や風味嗜好などのニーズに応えた乳酸菌飲料を新たにラインアップしました」と説明。6月2日に発売して以来、1週間での1日平均出荷本数は約21万本で、当初販売目標の約2倍となる好調な滑り出しとのことだ。

また、「健康意識の高いシニア層は、重要なターゲット層の1つとして位置づけているため、今後も継続的に検討を進めていきたい」と語り、シニアに向けた新たな商品開発を今後も積極的に展開していく意向を明らかにした。