東京・東宝スタジオの壁面に完成した巨大なゴジラ壁画

日本では7月25日に公開される特撮怪獣映画・ハリウッド版『GODZILLA』、そして日本の特撮史に残る映画『ゴジラ』第1作の公開から60周年というゴジライヤーを迎えることを記念して5日、東京・東宝スタジオの壁面に完成した巨大なゴジラ壁画の落成式が行われた。

落成式には、1954年(昭和29年)に公開された『ゴジラ』第1作に出演した俳優の宝田明と、ハリウッド版『GODZILLA』のギャレス・エドワーズ監督らが登場して、ゴジラ壁画の除幕を見守った。除幕式に登場した宝田が合図を送ると壁画を覆う幕が落ち、高さ14メートル、幅17メートルの巨大なゴジラが登場。沸き起こる拍手の中、ギャレス監督も思わず「ファンタスティック!」の声を上げた。

宝田は撮影当時を振り返り、「自分にとっては映画3本目での初主演で本当にうれしかった。(特撮の)撮影は雲をつかむようで監督にどんな状況かを何度も聞いていたら、特技監督の円谷英二さんが画面ではこういう風にゴジラが映る、と青図を持ってきてくれて、それを皆で覗き込みながら撮影をしたんです」と思い出を語った。宝田は、すでにハリウッド版を北米で観ており、「観客がゴジラの登場を今か今かと待っているのをひしひしと感じるんです。ゴジラが出てくるとわーっとて拍手が起こって、何でゴジラはこんなに愛されているんだろうと涙が出てきました」と感激の面持ち。「個人的には、もっとゴジラが長く登場するとうれしい」とリクエストして監督を苦笑させていた。

ハリウッド版『GODZILLA』が興収1.8億ドルを超える大ヒットとなっているギャレス・エドワーズ監督は、「本当にすばらしい。もし続編を作ることがあったら、この壁画を書いた塙雅夫氏(画家)にも参加してほしい」と絶賛。宝田とのトークでは「『ゴジラ』が生まれた日本でもヒットするまでは安心できない。もしも続編があるなら自分がぜひ監督をしたいと思っているし、宝田さんにぜひ出演してほしい。一番不思議なのは、60年前の第1作に主演した宝田さんがこんなに若々しいことです」と、続編にも意欲を燃やしながらも、「本当にまだ何も決まってないから話せないよ」と笑っていた。

今回公開されたゴジラ壁画はスタジオの表の道に面しており、スタジオの外からでも自由に見ることができる。ギャレス・エドワーズ監督が手がけたハリウッド版『GODZILLA』は7月25日に日本全国で公開される。