世界39カ国でオープニング1位の大ヒットを記録している『ノア 約束の舟』(6月13日公開)を引っさげ7年半ぶりに来日したダーレン・アロノフスキー監督が14日、都内で来日記者会見を行い、作品へのこだわりや豪華キャスト陣などについて語った。
監督は、本作のもとなった「ノアの箱舟」伝説を「偉大な物語」と称え、初の映画化が実現し「ワクワクしている」と喜びを表した。製作のきっかけとなった話として、13歳の時に学校の先生から平和についての詩を書く課題を与えられ、「ノアの箱舟」について書いたと説明。「その詩が国連のコンテストで優勝し、それがきっかけでストーリーを語るストーリーテラーになろうと決めた」と語った。また、当時の先生を見つけ出して、ノアと出会う老女役で本作に出演していることも明かした。
本作に出演する豪華キャスト陣についても語り、ノアのキャスティングについて「今回の作品はいろんな奇跡が起こるので、そういう奇跡をみなさんが信じられるものにしてくれる俳優が必要だった。現実に根付いたようなリアリティをもたらしてくれる俳優が、ラッセル・クロウだった」と説明した。
そして、養女イラ役のエマ・ワトソンについては「世界中の人が『ハリー・ポッター』シリーズで彼女を愛していると思うが、本読みの時にもっと大きなものをもっていると思った」と評価。『ハリー・ポッター』での少女のイメージではなく「一人の女性として見せたかった。新しい側面を」と狙いを語った。次男ハム役のローガン・ラーマンと長男セム役のダグラス・ブースについても「本読みで呼んでくれた時に、非常に優れた俳優だとわかった」と絶賛し、「若い才能と一緒に仕事するというのはすごくわくわくして楽しい」と笑顔を見せた。
大洪水のシーンでは、映画史上最大の雨を降らせるマシンを使用し、2週間半くらいかけて撮影したと言い、「過酷な撮影だったが、歴史上で1番の大洪水なので、水は大事な要素だった」と重要性を語った。また、実際のセットとして作った巨大な箱舟について「俳優たちに、現実味のあるもの、スケール感を感じられるものを与えたかった。何かつくるとしたら箱舟だと思った」と語り、制作においては「聖書の説明に忠実につくった。制作期間は6カ月」と説明。リアルな箱舟で撮影したことにより「リアリティが出た」と満足感を表した。