会社を辞める時に悩むのが、退職届の書き方と作り方です。「辞表を提出する」という言葉通り、表書きやタイトルは「辞表」でいいの? それとも「退職届」や「退職願」にするべき?迷いやすい辞表と退職届との違いをチェックしてみました。

■退職時に出す書類には、退職願・退職届・辞表の3種類が

退職時に出す書類には、退職願・退職届・辞表の3種類があります。どれも全部、同じ「退職したい」「退職します」ということをあらわす書類ですが、その中身は微妙に違うようです。例えば「退職願」の場合は、願うという言葉がついていることからわかる通り、「○月○日付での退職したい」という書類になります。「退職届」の場合は、そのまま「○月○日付で退職します」という書類です。最後の「辞表」は、これは一般社員が使わない書類で、主に役員の方が、役を辞任したいという時に使う書類です。

「辞表を出す」、「辞表をたたきつける」という言葉が、よくちまたで使われることがありますが、本当に届けを出す時には「退職願」や「退職届」を出すのが一般的です。間違って「辞任届」や「辞表」を出さないよう、ぜひ注意してくださいね。

■退職願と退職届は、どう違う?

退職願の場合は、その名の通り、「○月○日付の退職を願い出る」という書類のため、自分の意志が変わった場合には「やっぱりやめます」と撤回することが基本的には可能です。ただし撤回できるのは、会社が退職願に承諾する前まで。会社がそれを正式に承諾してしまえば、撤回は不可能になります。また会社が承諾してくれなかった場合も、提出してから2週間が経過した場合は、会社側が承諾したものとみなされます。

退職届の場合は、「○月○日付で退職いたします」という書類なので、こちらは会社側が承諾するかどうかに関わらず、撤回することができません。ただし、退職願や退職届のどちらを出せばいいか、また出し方はどうすればいいのかは、会社の規定によって細かく決められているケースがあります。例えば退職する場合は、「退職願を提出すること」と決められている会社もあるようです。退職を考えている場合は、まず会社が求めている届出書が何で、どこにいつまでに出せばいいのか、どの段階で退職が決定するのか、しっかり確認しておく必要があるでしょう。

「立つ鳥跡を濁さず」のことわざ通り、最後の締めくくりはきちんとした書類を出して締めくくりたいですよね。ぜひ退職届の違いを知り、また会社の規定をしっかりチェックして、後腐れなく会社を後にできるよう書類を整えておきましょう。