ほぼ完璧な演技で、浅田真央選手はSP世界歴代最高記録をマークした

26日に開幕となった「世界フィギュアスケート選手権大会2014」では27日、女子シングルショートプログラム(SP)などが行われた。日本女子のエース・浅田真央選手は、代名詞のトリプルアクセルを含めすべてのジャンプを決めるなど、ほぼ完璧の演技で78.66をマーク。ソチ五輪後に引退したキム・ヨナさん(韓国)が持っていたSP世界歴代最高記録の78.50を塗り替える圧巻のパフォーマンスで、堂々の首位発進となった。

なお、暫定2位はソチ五輪銅メダリストのカロリーナ・コストナー選手(イタリア: 77.24)、同3位はユリア・リプニツカヤ選手(ロシア: 74.54)となっている。同4位には、今大会限りでの現役引退を表明している鈴木明子選手が71.02で入り、村上佳菜子選手は60.86で同10位となっている。

SP自己ベストを約3点更新

柔らかな「ノクターン」の音色に溶け込むかのように華麗に決めた冒頭のトリプルアクセルで、「真央劇場」は幕を開けた。続く3回転フリップ、後半の3回転ループ-2回転ループでも美しく舞ってみせた。しなやかなステップシークエンスやフライングキャメルスピンもしっかりと決め、万感の表情でフィニッシュすると観客からは万雷の拍手が送られた。

全選手中トップとなる42.81の技術点を含めたトータルスコアは78.66。これまでの自己ベスト75.84を大きく更新するSP世界歴代最高記録をたたき出した。2月のソチ五輪ではSPで大きく出遅れた浅田選手。今回の世界選手権では、SPとフリーそろって演技をしっかりと行うことを「目標」としていただけに、まずはその半分を突破した。

浅田選手会心の演技に、各界からは賞賛の声がやまない。芸能界からは尾木ママこと尾木直樹さんがブログで「真央ちゃん! 世界最高 なんてきれい!! なんて完成度高い!! 落ち着き 丁寧な演技 柔らか、豊かな表情 尾木ママ、言葉ありません!! 感動 涙です」とつづり、アグネス・チャンさんも「真央選手の演技は最高に美しかったですね。フリーも頑張ってほしいです」とブログに書いている(共に原文)。

デニス・テンやジョニー・ウィアーも注目

フィギュアスケート界も浅田選手をはじめとする女子選手のハイレベルな争いに注目しているようだ。

ソチ五輪のフィギュアスケート男子シングルで銅メダルに輝いたデニス・テン選手(カザフスタン)は、浅田選手の演技直後にツイッターで「What a wonderful program!!!」(何てすばらしいプログラムだ!: 英文は原文、訳は編集部)とつぶやいている。

2006年トリノ五輪でフィギュアスケート男子シングル5位入賞を果たし、「ジョニ子」の愛称で日本のファンにも親しまれているジョニー・ウィアーさんも自身のツイッターで、「Race for ladies world title is close between 1.Asada 2. Kostner & 3.Lipnitskaya. Freeskate shakedown will be fun to watch! Go girl!」(女子世界選手権の優勝は、浅田選手、コストナー選手、リプニツカヤ選手による僅差の戦いで争われている。フリーを見るのが楽しみになりそうだ。行け行け、女子!: 英文は原文、訳は編集部)とツイートしている。

ソチ五輪ではメダルの期待がかかりながらも6位となってしまい、自身のブログで「悔しい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱいです」とファンに謝った一方で、「世界選手権でも感謝の思いを込めて滑りたいと思います」とつづっている浅田選手。その「感謝の思い」がつまった29日のフリーの演技後には、4年ぶり3度目となる世界選手権での金メダルが待っているだろう。

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