「第30回 大阪モーターサイクルショー2014」が21~23日の3日間、インテックス大阪1号館・2号館 屋外特設会場にて開催されている。30周年となる今回のテーマは「Happy Bike Day '30 ~バイクに会えてよかった~」。過去最大級の出展者数・出展規模での開催という同ショーの、初日の模様をレポートしたい。

世界初公開となったホンダの新コンセプトモデル「NM4」

国内メーカーが最新モデル発表! 輸入車もかっこいい!

会場に入ってすぐ、心引かれたのがハーレーダビッドソンのブース。「本日11時日本初新型車発表」のパネルの後ろで、1台のバイクがアンベールの時を待っていた。これはなかなか気になる。発表の時刻が近づくにつれて、バイクの周囲に大勢の人だかりが。期待が高まる中、アンベールされたのはニューモデル「スーパーロー 1200T」だった。

ホンダのブースにおいて異様な存在感を発揮していたのが、この日が世界初公開というコンセプトモデル「NM4」。とにかく低く、長く、ボリューミーなボディに搭載されるのは、水冷OHCパラレルツインの745ccエンジン。おそらくNCシリーズと共通の設計だと思われるこのパワートレインとの組み合わせで、一体どんな走りを見せるのか? 近未来的ボディと、ある意味オーソドックスな構成のエンジン、そして数々の電子ギミック……、市販化されるのが待ち遠しいモデルだ。

ハーレーダビッドソンのブースでは、ニューモデル「スーパーロー 1200T」のアンベールも行われた

ヤマハは「BOLT Cafe」(写真左)や「TRICITY Concept」(同右)などを展示

ヤマハのブースでは、「BOLT」をスポーティにアレンジした「BOLT Cafe」が気になった。レトロでシンプルな車体に、リッタークラスのV型エンジン、軽快で乗りやすそうだ。もうひとつ気になったのが、三輪の「TRICITY Concept」。ピアジオの「MP3」を125ccにしたような雰囲気で、「アンダーパワーなのでは?」という印象もあったが、かなり軽量に作られているという。どんな走りをするのか、原付二種の枠で三輪というこのモデルがどのカテゴリーになるのか、非常に興味深い。2014年中の発売をめざすそうで、楽しみだ。

ドゥカティジャパンのブースに展示された「ディアベル」

ドゥカティジャパンのブースも多くの来場者でにぎわった。「ディアベル」と美しい女性……、イタリアンデザインはなぜこうも魅惑的なのか? 当初はその異様さに驚いた「ディアベル」のスタイリングだが、発売から月日を経ても古くなることはなく、むしろ正しいドゥカティのデザインとしてなじんできたような気さえする。こういうセンスはこの先、ぜひ国産車にもほしい。正直、ちょっと悔しい。そんなことを考えてしまった。

今回出展されたモデルの中で、筆者が一番乗ってみたいと思ったのが「KTM 390 DUKE」(KTM JAPAN)だ。重さ140kg未満、125や250と変わらないサイズのボディに、最高出力32KW(44PS)を発揮するエンジンを搭載。これが楽しくないわけがない! フレームぎりぎりにエンジンを押し込んだ結果、なんとエキゾーストパイプの一部をフレームに合わせてへこませているようだ。この点だけでも、とことんこだわったモデルであることを感じさせた。

KTM JAPANのブースに展示された「KTM 390 DUKE」

大阪ならでは!? 楽しい展示が盛りだくさん

各ブースとも個性的なモデルが並んでいたが、その中でも個性が限界の向こう側に行ってしまった(?)バイクをひとつ紹介しよう。

マフラーてんこ盛りのバイクに驚き!

自衛隊ブースに白バイも登場

今回のショーでは、メーカーによる出展の他にカスタムバイクも多数展示されていたのだが、その中の1台に度肝を抜かれた。マフラーがこれでもかと言わんばかりにてんこ盛りなのだ。これは一体何なのか!? 昔、スクーターにヘッドライトやミラーをたくさん取り付けた「モッズ」と呼ばれるスタイルが流行ったこともあったが……。ある意味、今回の展示車の中で最も走っているところを見たいバイクかもしれない。

自衛隊大阪地方協力本部のブースでは、おなじみの偵察用オートバイKLXに加え、今回は警務隊の白バイも展示されていた。排気量は400cc。交通取締用の白バイに似ているが交通取締は行わないので、赤灯とサイレンは装備していても追尾メーターはない。おもに施設の中を走ることが多く、あまり目に触れることのない珍しいバイクだという。

エアコンを積んだバイクも登場!?

最後に、バイクそのものではないが、たいへんおもしろいグッズを見つけたので紹介したい。それはなんとバイク用のエアコン。夏場の冷房だけなので、クーラーと言ったほうが正しいかもしれない。とはいえ、空気を冷やすものでもない。簡単に言うと、電熱ウェアの逆のはたらきをするものらしい。リアシートに載せる本体に超小型の冷凍庫とポンプが内蔵され、組み合わされるウェアの内側に冷水を通すパイプが巡らせてあるという。製作者いわく、「去年の夏にテストしたが、とても寒かった」とのこと。

今回も楽しい展示が盛りだくさんの「第30回 大阪モーターサイクルショー2014」。目標来場者数は4万5,000名とのことだが、3連休中の開催ということもあり、初日から大盛況の様子だった。30周年を迎えた同ショーは、関西のライダーにとって春先の恒例行事として定着している。この先も長く続いてほしいものだ。