重要文化財「千手観音立像」平安時代・8世紀末~9世紀 日吉神社(赤後寺)蔵(長浜市高月町唐川)

東京藝術大学滋賀県長浜市は21日から4月13日まで、「観音の里の祈りとくらし展-びわ湖・長浜のホトケたち-」を開催する。

観音像との"ご縁"をつなぐ展示

長浜市は、滋賀県の東北部に位置し、周囲には伊吹山系の山々と琵琶湖が広がっている。豊かな湖北平野と水鳥が集う湖岸風景から、県内でも優れた自然景観を有する。2010年の市町合併により、県内第1位の面積となり、これまで以上に歴史や文化、自然や観光など、様々な地域資源を有することになったという。

同市には、100を超える観音像が伝わり、古くは奈良・平安時代に遡るものも多い。戦国時代には、幾多の戦乱や災害に見舞われたが、地域住民の手によって観音像は難を逃れ、今日まで大切に守り継がれてきた。同展は、重要文化財を含む、すべて東京初出展となる18躯の観音像とともに、同市に息づく「観音文化」を紹介するものとなる。

重要文化財「十一面観音立像」平安時代・10~11世紀 善隆寺蔵(長浜市西浅井町山門)

長浜市指定文化財「十一面観音坐像」平安時代・12世紀 岡本神社蔵(長浜市小谷丁野町)

「十一面観音立像」平安時代・12世紀 大浦観音堂蔵(長浜市西浅井町大浦)

会場は、東京藝術大学美術館 展示室2(東京都台東区上野公園12-8)。開館時間は、10時から17時。4月11日は、20時まで開館する。休館日は月曜日。観覧料は、一般が500円、高校・大学生は300円で、中学生以下と、障害者手帳を持参する者、その介助者1名は無料となる。

俳優・滝田栄の講演会も開催

29日(14時から)、4月5日(同)、11日(18時から)、12日(14時から)には、担当学芸員によるギャラリートークが行われる。また、6日の14時から、同大学美術学部中央棟1階 第1講義室で、「観音の里 長浜PR大使」に就任した俳優の滝田栄氏による講演会が行われる。詳細は、同美術館のWEBサイトで確認することができる。