ランコム、シュウウエムラ、ロレアル パリなどの化粧品ブランドを持つ日本ロレアルは3月7日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の女性の自立をサポートし、女性起業家を支援する"Eyes(アイズ) For(フォー) Future(フューチャー)(未来へ向けたまなざし)"を開講した。これは同社がNPO法人石巻復興支援ネットワークおよび石巻市と連携し、企画したもの。

3月7日に行われた開講式の様子

事業計画の立て方や集客方法など、事業マネジメントの基礎が学べる

日本ロレアルは、2011年より宮城県石巻市にコミュニティカフェ「HANA荘」を建設し、コミュニティ再生支援を継続して行ってきた。"Eyes For Future(未来へ向けたまなざし)"は、同社が有する高級ブランド「ランコム」が2013年より実施。女性をより輝かせることで、石巻市のコミュニティ再生を支援しようというプログラムの一環として位置づけられている。これまでの「女性人材育成コース」に加え、2014年は新たに「女性起業家育成コース」を開講する。

開講と同日には、プログラムの受講生、支援団体・企業・自治体、講師、先輩起業家が集まり、石巻グランドホテル(石巻市)での開講式が行われた。被災地復興と自立に向けて立ち上がった女性起業家を対象とした支援は、石巻初となる。

事前のヒアリング調査では、美容、ネットビジネス、飲食事業における領域での支援のニーズが高いことが判明、同分野での起業を目指す女性を対象に、2013年12月から2014年2月7日までの期間に公募を行い、多くの応募者の中から11名の女性起業家が受講者となった。開講式でも「トータルビューティサロンを開くために先輩起業家の話を聞いて参考にしたい」「ネイルサービスで起業するために経営スキルを学びたい」など意気込みを語った。

女性起業家たちへむけてエールが送られた

「女性起業家サポートコース」では9月下旬までのプログラムを予定しており、事業計画の立て方や集客方法などの基本的な事業マネジメントについて学べる他、先輩起業家によるメンタリングや現在ビジネス界で活躍中の女性起業家による特別講演も組み込まれているという。

「女性が輝くことで、石巻市を輝かせる」

日本ロレアル 副社長 井村牧氏は「女性が輝くことで、石巻市を輝かせることができる」と意気込みを語り、石巻復興支援ネットワーク代表 兼子佳恵氏は「ここでの出会いを大切に、楽しい講座にしていきたい」と目標を述べた。また石巻市長 亀山紘氏から「復興には女性の柔軟な発想やアイデアが不可欠である」とメッセージが届くなど、各方面からの大きな期待を感じさせた。