JR北海道は、昨年7月15日に発生した特急「スーパーおおぞら3号」配電盤からの出火事故を受け、使用中止していた当該車両8両(キハ283系気動車)の使用を再開する。
この事故は昨年7月15日9時13分頃、千歳線上野幌~北広島間で発生。新札幌駅を発車した後、車掌が3号車配電盤の焦げたにおいに気づき、配電盤を開けて接触器の配線が赤熱していることを確認。上野幌~北広島間で停止して点検にあたったところ、接触器付近から火花が出たという。運転士が消火器による初期消火活動を行ったが、消火しきれないと判断したことから、乗客を列車の外へ避難させる事態に至った。
その後の調査により、接触器に接続されていた2つの配線同士を締め付けるビスにゆるみがあったことが原因と判明。正規に締め付けた圧着端子部の間隔は2mmとなるが、焼損した部分ではこれが3mmとなっており、接触不良の状態にあった。このため、当該部分の抵抗が増加し、発熱・焼損に至ったことがわかった。これらの調査結果を受け、JR北海道は再発防止策をまとめ、このたび国土交通省の了承を得たという。
今回使用を再開するキハ283系気動車8両は当面の間、予備車両または増結用車両として使用予定。特急「スーパーおおぞら」は車両の不足により、昨年9月から本来より1往復減の1日6往復となっているが、この減便については解消されないとのこと。