帝国データバンク(以下、TDB)は3日、「原発関連倒産」の動向調査の結果を発表した。それによると、2011年3月~2014年2月までに判明した原発関連倒産は142件で、「東日本大震災関連倒産」全体(1,485件)の9.6%となった。なお、東日本大震災関連倒産を同じ3年間で比較すると、阪神大震災関連倒産(394件)の約3.8倍に上った。

震災発生後1年間の原発関連倒産は47件(全体比7.2%)。しかし、2012年3月~2013年2月の1年間では、震災関連倒産全体が前年より減少したのに対し、原発関連倒産は57件(同11.7%)に増加していた。

原発関連倒産の要因を見ると、「風評被害等」が122件(構成比85.9%)で最多。風評被害の立証は現状では極めて困難であり、TDBによると、原子力損害賠償紛争解決センターにより和解仲介手続きを利用するケースもあるが、「請求額の10分の1程度の和解金を得ただけで最終的に倒産した例」があるなど厳しい状況だという。

「原発関連倒産」内訳(出典:帝国データバンクWebサイト)

このほか、原発関連案件(工事等)の中止・延期が要因となった倒産が12件、「海外勢敬遠」が6件、「警戒区域内」が2件となった。

TDBは「再稼働問題はいまだ解決する気配がなく、原発関連事業で利益を得ていた企業にとっては厳しい状況が続く」とし、このような状況を顧慮すると、原発関連倒産は「今後も散発する」と見込んでいる。