姫路市で9月末にオープンした黒猫専門の猫カフェ「cat cafe ねこびやか -黒猫cm(センチメートル)-」が注目を集めている。開店から2カ月ほどの新しい店だが、すでに全国から黒猫ファンが足を運んでいるとのこと。そこで、同店の店主である八木絢子さんに、どうして黒猫専門のカフェをープンする事になったのか、なぜ黒猫が人気なのか、といった話を聞いてみた。

黒猫四兄弟との出会いが始まり

八木さんは、2011年9月に雑種のみの猫カフェを姫路にオープン。いろいろな柄の猫達が居て、みんな人気者だったという。しかし、その店はたまたま黒猫が不在で、黒猫好きの来店者に、「黒猫はいないんですねー」とよく言われていたのだとか。オープンしてまもなく始めた里親募集活動でも、黒猫の子猫を店内でデビューさせると、すぐに里親が見つかるほど黒猫が好きな人は多かったそうだ。

転機が訪れたのは、その里親募集活動が徐々に活発になってきた頃。姫路市動物管理センターで処分されるかもしれない猫たちを、できる範囲で連れ帰って里親を募集していくなかで、黒猫四兄弟に出会ったのだ。

同センターでは、野良猫を捕まる活動は行っていないため、この四兄弟は誰かがお金を払って持ち込んだことになる。八木さんは当時を思い返して「黒猫を求める人や愛する人たちがいる一方で、逆もある。黒猫に限らずですが、その一例として強く心に残りました」と語ってくれた。そして、黒猫と黒猫ファンの間を取り持ち、黒猫たちが生きていく道を作ってあげたい、という思いから黒猫専門の猫カフェを始めることにしたという。「犬猫の殺処分に対して、当店なりに皆様の心に少しでも何か提起できるのではという思いもありましたし、する以上は、この子たちと共に生きて行こうと思いました」(八木さん)。

黒猫の魅力とは? そもそも黒猫ばかりで見分けられるの?

八木さんに黒猫の魅力を聞いたところ「なぜ黒猫が人気なのかは言葉では説明がつきませんが、人を惹きつける魅力があるのは間違いありません。私も今なお黒猫の魅力に惹かれ続けています。きっと言葉を超えた何かをもっていると感じます」と答えてくれた。また、全国から来店する黒猫ファンは、遠くからやって来たのに猫達が寝てばかりであっても、「黒猫たちが居るだけで満たされている感じがする」と満足気だという。

これだけ黒猫ばかりだと、見分けられるのだろうかと不思議に思うが、八木さんは「私は見分けられます、顔みんな違うんですよ。他にも、体の特徴で見分けたりします。髭がない子がいたり、しっぽが短い子がいたり、歯が出ている顔の子がいたり、白い髭が一本ある子がいたり…。また、お客様には着けている襟(首輪)の色で判断してもらっています」とのことだ。襟の色は、白色 : はく平(はくべい)、茶色 : ちゃ渋(ちゃしぶ)、水色 : みずい朗(みずいろう)、オレンジ : おれん侍(おれんじ)、など名前と関連づけやすい色になっており、店内に早見表の紹介本も用意されている。

最後に八木さんは、これからカフェを訪れる人に対して「当店は、黒猫好きな方がにっこり笑顔になれる空間です。黒猫好きとまではいかなくても、猫好きな方にもほっこりしてもらえる猫カフェですので、みなさまぜひご来店くださいませ」とのメッセージを寄せてくれた。