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カリフォルニアくるみ協会はこのほど、くるみを取り入れた食事は心血管疾患リスクを抑制する可能性があることを示唆する新しい研究が、「メタボリズム(Metabolism)」誌に発表された、と公表した。

くるみに、心血管疾患リスクを軽減する可能性

同研究は、ミュンヘン大学医療センター(ドイツ)の研究者によって行われた。くるみ(43グラム、1.5オンス)を毎日摂取することによって、心血管疾患リスクの予測因子である血中脂質値に生じる影響を調べた。

参加者(健康な男女)に通常の食事の一部としてくるみを8週間摂取させたところ、摂取期間中、飽和脂肪の摂取量が減り、多価不飽和脂肪酸の摂取量が増えたため、血中脂質値に良好な変化が生じた。多価不飽和脂肪を主成分とするくるみは、植物性オメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸が豊富(1オンス=28グラム当たり2.5グラム)な数少ない食品の1つだという。

日本では心疾患(高血圧症を除く)が男女ともに悪性新生物(がん)に続く死因の第2位で、死因別死亡数全体の15.8%を占める。また、心疾患(高血圧性のものを除く)だけで年間1兆7,020億円の医療費になっており、健康的なライフスタイルとバランスのよい食事は、心血管疾患の予防に重要な役割を果たす。

くるみは、植物性オメガ3脂肪酸が豊富な数少ない食品

今回の研究結果に対して、エミリオ森口クリニック院長で日本臨床栄養学会理事長の板倉弘重氏は、「多くの臨床試験で、くるみの摂取が心疾患のみならず日本人に多い脳卒中の予防にも効果のあることが報告されており、注目されます。日本人はオメガ3脂肪酸の摂取が減少傾向にあり、健康維持のためにくるみの利用を考えて良いと思います」とコメントしている。

くるみに関する詳しい業界情報、栄養・健康に関する研究、レシピアイデアについては、同協会Webページを参照のこと。