ジョン・エヴァレット・ミレイ《オフィーリア》 1851-52年 油彩・カンヴァス テート美術館所蔵 (C)Tate

森アーツセンターギャラリーは2014年1月25日~4月6日、「テート美術館の至宝 ラファエル前派展 英国ヴィクトリア朝絵画の夢」を開催する。

英国発の前衛美術運動の全貌をわかりやすく紹介

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ《プロセルピナ》1874年 油彩・カンヴァス テート美術館所蔵 (C)Tate

同展は、英国絵画の殿堂、テート美術館が所蔵するラファエル前派の絵画を紹介する展覧会。世界的なコレクションを誇る同館所蔵のラファエル前派の名画72点がまとめて見られる、非常に貴重な機会となる。2012年9月のロンドン・テート美術館を皮切りに、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、モスクワ・プーシキン美術館を巡る展覧会で、国内では東京のみの開催となる。

ラファエル前派は1848年、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハントを中心とする若者たちによって結成されたグループ。正式名称は「ラファエル前派兄弟団(Pre-Raphaelite Brotherhood)」、略してPRB。彼らは盛期ルネサンスの巨匠ラファエロを規範としてその形式だけを踏襲する当時のアカデミズムに反発し、ラファエロ以前の素直で誠実な初期ルネサンス絵画を理想とし、このグループ名を付けた。

具体的には、自然をありのままに見つめその姿を正確に写しだそうとして戸外での制作を試みたり、くっきりした明るい色彩を使用し細部を描き込んだりし、リアリズムに徹した画面を作り上げた。ラファエル前派の運動は彼らの先輩格にあたる画家フォード・マドックス・ブラウンの賛同を得るなど、周辺にいた作家たちも巻き込み、その影響は広範囲に及んだという。

ウィリアム・ダイス《ペグウェル・ベイ、ケント州-1858年10月5日の思い出》 1858-60年 油彩・カンヴァス テート美術館所蔵 (C)Tate

展示では、グループ結成から1890年代までのラファエル前派の歩みを「History」「Religion」「Landscape」「Modern Life」「Poetic Painting」「Beauty」「Symbolism」の7つのテーマにわけて紹介する。

会場では、ロセッティ作の名画19点を一挙公開、まさに「美女の競演」となる。また、ラファエル前派の作品のなかでもっともよく知られる、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」も来日する。

会期は、2014年1月25日~4月6日。会期中無休。会場は、 森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木6-10-1 森タワー52F)。 観覧料は、前売が一般1,300円、大学・高校生1,000円、4歳~中学生400円。当日券は一般1,500円、大学・高校生1,200円、4歳~中学生500円。その他、詳細は同展Webサイトを参照のこと。