ワンズはこのほど、GIS(地図情報システム)を活用し、首都圏における1日平均乗降者数上位200駅中の1人世帯が多い駅商圏ランキング・トップ5を発表した。それによると、中野周辺の東京城西エリアが1人世帯の集中ゾーンであることがわかった。

"おひとりさま"を意識した店舗業態が、小売・サービス業で注目されている。2010年の国勢調査では、総人口は1億2,805万人、0.2%増(2005年10月比)と、ほぼ横ばいの伸び率に対して、1人世帯数は一般世帯数の32.4%に当たる1,678万世帯、伸び率は16.1%(同)となり、特に東京の伸び率は20.0%と高くなっている。今回、同社はおひとりさま市場の可能性に着目、1人世帯における駅商圏の規模を分析したという。

その結果、首都圏において1人世帯数が多い駅商圏は、1位が高円寺の3万1,628世帯、2位が中野坂上の3万609世帯、3位が東中野の2万9,808世帯、4位が大塚の2万7,990世帯、5位が笹塚の2万7,670世帯となった。なお、200駅平均は1万333世帯だった。

年齢別1人世帯ランキング

年齢別に見ると、20代1人世帯数は、1位が東中野の8,507世帯、2位が中野坂上の8,022世帯、3位が大塚の7,473世帯。30~64歳1人世帯数は、1位が高円寺の1万9,563世帯、2位が中野坂上の1万8,178世帯、3位が東中野の1万6,740世帯。高齢(65歳以上)単身世帯数は、1位が高円寺の5,407世帯、2位が大塚の4,909世帯、3位が阿佐ヶ谷の4,782世帯などとなり、すべて中野周辺の東京城西エリアに集中する結果となった。

同社は今回の結果について「城西エリアに1人世帯が集中する要因は、高齢化が進んでいること、中野周辺の再開発、周辺や沿線後背地に大学が多いことなどが推察されます。年齢を問わず、おひとりさま市場の可能性が高いエリアと言えるようです」と分析している。

今回調査の1人世帯数に関しては、2010年国勢調査世帯数500メートルメッシュデータを基に、総数と、年齢別に20代、30~64歳、高齢(65歳以上)単身世帯数で把握した。駅商圏に関しては、駅を中心とした半径1キロメートル、徒歩約15分の範囲で、首都圏の1日平均乗降者数トップ200駅を対象とした。なお、乗降客数ランキングについては「駅別乗降客数総覧'2012」(エンタテインメントビジネス総合研究所)を参考にしたという。