ベテランの先輩、大物取り引き相手…仕事上で接する相手は、誰もがフレンドリーな態度をとってくれるわけではありません。一度微妙な態度をとられると、次に話しかけるのがいやになってしまうという経験がある方もいるのではないでしょうか? 気難しい相手と、どのようにコミュニケーションをとればいいのか、フリーアナウンサーの牛窪万里子さんにうかがいました。
仕事上必要なら、自分から話しかけるしかない!
牛窪さん:
例えば堅い感じの方、職人気質の方と話すときですよね。相手は受け身であることが多いと思うんです。職人さんや、技術職の方だと、自分と「もの」との向き合いで仕事をすることが多いので、自分からはなかなか言葉を発しないということもあります。
そういうときは、こちらからどんどん話しかけて、少ない言葉でも引き出すことが大事です。商談でも何でも、相手がどういうことを思っているのかを質問して、誘導するがわに立たないと! しつこく話しかけると、相手の表情が悪くなってしまうこともあるかもしれないですが、仕事であれば、割り切らないとしょうがないです。気にしすぎないようにしましょう。
1回であきらめないで、ゆっくりと信頼関係を築いていきましょう
取り引き相手や仕事相手でなく、会社の人付き合いの中でとなると、また少し話が変わってきます。その場合は、リピートがとっても大事。1回ではなかなか心を開けないですから、時間をかけて、ちょっとずつ開くという努力をしなければと思いますね。本当に仲良くしたかったら、時間をかけて。1度ではなくゆっくりと、信頼関係を築いていきましょう。
今まで私がお話した中ではやはり、ものづくりの職人さんが一番難しかったですね。言葉が短いので、一問一答になり、なかなか話が広がらないということがありました。でもそれは、その方に合わせて。質問をなるべく具体的にしてみたり、結論をせかさないで待ってみたりします。待っていても言葉が出てこなかったら、「今のお話は、こういう意味ですか?」と確認をとります。違ったら、プラスアルファの言葉が出てくることもあります。
単語の意味を一つずつ確認すること
言葉が短い方だと、単語だけ言われてイメージしなければならないのですが、一つひとつ相手に確認すると良いと思います。こちらのイメージで間違って理解しているということもありますからね。例えば上司からの指示だって、「すぐやって」と言われて、「すぐ」をどうとらえるのかは、自分と相手で違ってきますよね? 具体的にいつまでになるのか、確認をしましょう。お互いに配慮できるのが一番良いのですが、相手が難しいなら、自分から努力するのが早いと思います。
牛窪万里子
元NHKキャスター、フリーアナウンサー、メリディアンプロモーション代表取締役。サントリーに勤務した後、フリーアナウンサーに転身。NHK「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」、テレビ東京「レディス4」などでリポーターとして活躍する。また、自身が代表を務めるメリディアンアナウンススクール講師としても活動。著書に『初対面の相手も、おもわず本音をもらすアナウンサーの質問レシピ』(総合法令出版)、『見るだけ30分!! あなたに合った「聞く」「話す」が自然にできる!』(すばる舎)など。