「大地に根ざして働く喜び」を表現した壁アート

企業の社会的責任(CSR)の重要性が叫ばれている昨今、無添加タバコ「ナチュラル アメリカン スピリット」を販売するサンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンは、CSRの一環として間伐材や廃材を用いたエコロジー志向のオフィスを赤坂に新設した。その新オフィスの詳細とは―。

新オフィスの壁には巨大アート。廃材を利用したミーティングスペース

9月末にオフィスを東京・白金台から赤坂に移転した、サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン。新オフィスでは、同社の信念を表現できるようにこだわった。

地下1階の受付では、廃材を利用した社名がまず目に飛び込んでくる。木目や板の色の違いが見事なコントラストを織りなし、印象的だ。受付のすぐ横にあるミーティンスペースは、間伐材や廃材を利用し、木の温(ぬく)もりが感じられる「アップサイクル型」に仕上げた。掘りごたつスタイルのミーティングテーブルに座れば、開放感でアイディアもわきやすくなりそうだ。

開放感のあるミーティングスペース

壁には、「FUJI ROCK Festival」などでペインティングを手がけたこともある人気アーティスト「Gravityfree」が「手を土まみれにしながら働く喜び」や「汗の美しさ」をイメージした巨大アートを施した。壮大な光景が見る者の心を奪う。

話し合うGravityfreeの二人

情熱的に作業を行っている様子

「大地を次の世代へと引き継ぐ」という哲学

企業理念に「大地に責任を持つこと」を掲げる同社は、その理念のために農家と直接契約を締結し、純粋(Purity)で残留物(Residue)がほとんどない、クリーン(Clean)な栽培方法「PRC栽培」を編み出した。その甲斐(かい)あって、タバコでは世界初となる、米国農務省が規定するオーガニック認証を取得したという。

サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンの東智徳代表取締役社長は「大地を汚さない栽培方法を追及した結果です」と胸を張る。

会社名など、廃材を利用したオブジェがオフィスの至る所にある

独自の活動「SHARE THE LOVE for JAPAN」

また、「未来へ栽培を持続させること」を信念とする同社は、「SHARE THE LOVE for JAPAN」という活動を2011年より実施。同社が支援している有機農家によるこだわり野菜を用いて、東社長ら社員が作った石窯(いしがま)でピザを焼くワークショップなどを通じて、サスティナブル(継続可能)なライフスタイルの楽しさを知ってもらうことを提案している。

「食材がどこから来て、どのように料理されるかを学んでもらい、サスティナブルな生活の楽しさを知ってもらうことで、今失われつつある自然や手仕事のある暮らしの魅力を伝えていきたいですね」

「未来へ栽培を持続させる」ための取り組みを続ける同社が、「大地を次の世代へと引き継ぐ」という企業理念を見事に体現させた、エコでユニークな赤坂の新オフィス。一見の価値ありと言えそうだ。