映画『くじけないで』の完成披露試写会が8日、東京・丸の内ピカデリーで行なわれ、キャストの八千草薫、武田鉄矢、伊藤蘭、檀れいらが出席した。

前列左から、檀れい、芦田愛菜、八千草薫、武田鉄矢、伊藤蘭、後列左から、由紀さおり、上地雄輔、ピエール瀧、深川栄洋

深川栄洋監督が手掛けた同作は、実在の詩人・柴田トヨの半生と家族の絆を描いた物語。息子の健一(武田)に勧められ、90歳を過ぎてから詩を書き始めたトヨ(八千草)。自らの老いを見つめるユーモラスな視線や少女時代の追憶などの詩を紡ぐうちに、明治から平成まで生きてきた自らの人生を振り返っていく――というストーリーで、映画は11月16日から全国公開予定。

八千草、武田、伊藤、檀のほか、芦田愛菜、上地雄輔、ピエール瀧と深川栄洋監督が出席した舞台あいさつでは、由紀さおりが主題歌である「わたしのうた」を披露して観客を魅了。主演の八千草は「トヨさんは柔らかい感受性を持っている方。『人生はこれからだものね』という言葉を胸に、私も少しづつ歳を重ねたい」とあいさつし、59歳~98歳までのトヨを演じるにあたり「本当に難しくて……。監督に『もっと腰を曲げて』と言われてましたが、90歳の人が歩くのはどういうことか実感しました」と苦労を吐露した。また、健一役の武田は「母は亡くなっているので、久しぶりに"母ちゃん"と呼べた。母への想いを重ねながら演じました」と感慨深げに語った。

同作では、トヨの中年期を檀、幼少期を芦田が演じているが、檀は宝塚歌劇団の先輩にあたる八千草との共演に「入った当初に見た現役のブロマイドが、本当にビックリするくらい可憐で素敵で。話を頂いた時は本当にうれしかったけど、失礼にならないようにしっかりやらなきゃと思いました」と感激し、「私と同じくらいの歳なのに、おっかさんを助けるために奉公を頑張ってすごい」と役どころについて語った芦田は、「赤ちゃんを背負ってる時は、後ろに倒れないように踏ん張りました」とにっこり。そんな3人の女優陣の息子である役どころの武田は、妻役の伊藤に「『私が付いてなきゃダメになっちゃう』と思わせる役を演じて右に出る者はいない」と絶賛され、八千草にも「可愛かった~」と褒められると、「みっともない子でごめんなさい」と照れ笑いしていた。