松本人志が21日、宮城・MOVIX仙台で自身が監督を務めた映画『R100』(10月5日公開)のPRイベントを行った。
同作は松本にとって、『大日本人』(2007年)、『しんぼる』(2009年)、『さや侍』(2011年)に続いて4作目となる監督作。大森南朋演じる主人公・片山貴文が、謎のクラブ「ボンデージ」に入会することがきっかけで、美女たちに翻弄される姿を描いた。第38回トロント国際映画祭の「ミッドナイト・マッドネス(MIDNIGHT MADNESS)部門」に出品され、地元メディアでは評価が二分。同部門の最高賞となる観客賞は園子温監督作『地獄でなぜ悪い』(9月28日公開)が受賞した。
この日のイベントは、松本が全国5都市を巡るツアー「全国未体験ツアー」の一環として行われたもの。札幌、広島に続いて仙台を訪れた松本は、上映前に登壇すると、「この映画は、見ていただいた皆さん全員が『メチャメチャ良かった』と思うことはあり得ないと思っています」と語り、「僕の映画は必ず賛否両論を受けるんですが、それは僕の宿命であり、誇りでもあると思っています」とコメント。さらに、「好きになってくれる方はどんどん好きになるし、好きになれなかった方も、しばらく離れることができなくなるような映画」のほか、「コメディでもなく、シリアスなドラマという訳でもありません。アートの要素だったり、僕の思ういろいろなものを詰め込んでいます」と同作を解説した。
上映後には質疑応答の時間が設けられ、観客からはさまざまな質問が寄せられた。演出の話題になると、松本は「笑いは、狂気や悲しみ、アートと紙一重だと思っているんです。サルバドール・ダリの絵って、一コマ漫画っぽい部分があったりするじゃないですか」と例えながら、「今回は笑いを封じ込めてシリアスにして、だからこそそこから笑いが漏れてしまうような、そんな映画にしました」と説明。「企画段階や、編集中に、コントのように普通に笑えるものになりそうになったら一度考えなおす、ということを徹底しましたね」と制作エピソードを明かしていた。
同ツアーイベントは今後、9月30日に福岡のT・ジョイ博多、10月1日に名古屋の109シネマズ名古屋で行われる予定。