東京商工リサーチは8日、東証1部・2部上場の主な電気機器および自動車関連メーカーの「従業員数動向」を調査し、その結果を発表した。それによると、2013年3月末の総従業員数は、前年同期比0.6%減の81万4,362人で2年ぶりに前年を下回った。

東証1部、2部上場 主な電気機器、自動車関連メーカー198社 従業員数推移

同調査は、東京証券取引所1部・2部に上場する主な電気機器、自動車関連メーカー198社(2013年3月本決算企業)を抽出し、単独決算ベースの3月末の従業員数推移をまとめた。従業員数は、就業人員数(社外への出向者を除き、社外からの出向者を含む)で、臨時従業員(期間従業員、パートタイマー、派遣社員など)は含まれない。

調査対象の198社のうち、2013年3月末の従業員数が前年同期を下回ったのが116社で約6割に当たる58.5%を占めた。従業員の減少数が最も多かったのはシャープの3,522人減で、主に希望退職の実施が影響した。次いで、ルネサスエレクトロニクスの2,777人減、セイコーエプソンの1,143人減、ソニーの1,045人減、東芝の968人減となった。

一方、従業員が最も増加したのはパナソニックの5,986人増で、パナソニックエレクトロニックデバイスなど子会社の合併が主な要因となった。以下、富士電機の1,480人増、日立製作所の757人増、三菱電機の586人増、富士通の520人増と続いた。

電気機器138社の2013年3月末の総従業員数は、前年同期比0.7%減の45万8,099人で、3年ぶりに減少した。従業員数を減らした企業数(各3月末)を見たところ、2009年は46社だったが、2010年は63社、2011年は77社、2012年は80社、2013年は86社(構成比62.3%)と年々増加している。東京商工リサーチは「実質的には、電機業界の雇用状況は厳しさを増していることがわかる」と分析している。

自動車関連60社の2013年3月末の総従業員数は、前年同期比0.5%減の35万6,263人で3年連続で減少した。従業員数が減少した企業数(各3月末)を見ると、2009年が18社、2010年が33社、2011年は46社と約8割の企業で従業員が減少したものの、その後は需要回復もあり、2012年は32社、2013年は30社と横ばいで推移している。2013年3月末の総従業員数は、大手自動車メーカーの人員合理化の影響から前年同期を下回ったが、一方で増員に動く企業も半数の30社に上り、各社ばらつきが見られた。

上 : 東証1部・2部上場 主な電気機器メーカー138社 従業員数推移、下 : 東証1部・2部上場 主な自動車関連メーカー60社 従業員数推移

東京商工リサーチは今回の調査結果について、「自動車関連では業績回復の企業もみられるが、海外生産へのシフトに変化はなく雇用状況が改善するには至っていない。一方、電気機器は業績の二極化が進んだ結果、全体としては雇用増加への動きが遅れている」と分析している。